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LED20形蛍光灯の落とし穴

直管蛍光灯には実は沢山の種類があります。

皆さんが良くご存じなのは40形(1200㎜)、20形(600㎜)、110形(2400㎜)の3種類かと思いますが20形のLED化は注意しましょう。

20形交換の場合はFLかFHFか注意が必要です。一見同じように見えますがFHF16はFL20と長さが異なるためFL20用のLEDは設置(バイパス工事)ができません。微妙に長さが足りないのです。

※交換する前にランプの型番をしっかりと確認しましょう!

無理やりソケットを緩めたりして接続してしまえば点灯はしますが落下の危険性があるので無理な交換はしない方が良いかと思います。

同じ20形という点で同じカテゴリーではありますがFHF16の長さは588mmに対してFL20の長さは580mmと8mm短くなっています。

恐らくどこのLEDメーカーも直管20形蛍光灯の長さは580mmで設計されていると思います。
ですからFHF16蛍光灯のランプ交換は基本的にはできないと考えてください。

どうしてもLED化をするとしたら器具ごとの交換方法であれば問題はありません。
器具交換の際には必ず現状の器具型番を確認をして下さい。

サイズ違いのものを設置する場合は直付けであれば天井に器具痕が残るので注意が必要です。埋込みであれば埋込み幅に注意が必要です。埋込み穴が小さい分には開口すれば問題ないですが大きいものから小さいものへはNGです。開口を小さくするのは天井の内装工事が必要になります。

・40形と110形について

FL/FLR40形蛍光灯とFHF32蛍光灯の長さは同じなのでLED40形はどちらにでも設置ができます。
またFLR110形蛍光灯とHFH86蛍光灯の長さは同じなのでLED110形はどちらにも設置できます。

直管蛍光灯の管長一覧

蛍光灯(FL/FLR) 管長 口金
4W形 134.5mm G5
6W形 210.5mm G5
8W形 287mm G5
10W形 330mm G13
15W形 436mm G13
20W形 580mm G13
30W形 630mm G13
32W形 830mm G13
35W形 1000mm G13
40W形 1198mm G13
52W形 1650mm G13
65W形 1498.5mm G13
110W形 2367mm R17d

HF蛍光灯

蛍光灯(HF) 管長 口金
FHF16形 588.5mm G13
FHF24形 549mm G5
FHF32形 1198mm G13
FHF50形 1498.5mm G13
FHF54形 1149mm G5
FHF86形 2367mm Rx17/Rx17d

埋込型蛍光灯の落とし穴

Cチャンネル回避型器具とルーバー付き埋込み器具は浅いので注意してください!!

埋込み式の蛍光灯にはCチャンネル回避型というものがあり真下から蛍光灯器具を見上げると
非常に浅い作りになっているのがわかります。その為使われる蛍光灯ランプはインバーター式の管経が細いものになっているのでLEDを設置する際は管経のサイズに注意する必要があります。

中にはこれにルーバーが付いているものもあるので、ルーバーとの接触があるとLEDのサイズが太いものは設置ができないかもしれません。

Cチャンネルとは天井裏にある柱や梁のことを指しコの字形をした形鋼材で断面がコの字をして「C」に近いことからCチャンネルと呼んでいます。

そしてこのCチャンネルを回避する為に蛍光灯器具の構造が浅くできているのがCチャンネル回避型蛍光灯です。
器具が浅い構造になっているので、主に使用できるランプはインバーター式
のスリムな蛍光灯になります。

このインバーター式(FHF蛍光灯)の管をT8管と呼び管経25.5mmとなっています。このようにCチャンネル回避型蛍光灯にはT8管が入っている事に注意をしておく必要があります。

さらにこのCチャンネル回避型蛍光灯にルーバーが付いているものも存在します。
LEDの管軽で多いのが30mmです。このようにFL管を想定したLED蛍光灯ではCチャンネル
回避型器具とルーバー付きの組み合わせではランプと器具(ルーバー)が接触してしまい
物理的に入らない可能性があることに注意をしていかなければなりません。

■Cチャンネル
Cチャンネル

■Cチャンネル回避型蛍光灯

Cチャンネル回避型蛍光灯

このように建物の構造Cチャンネルを回避するために照明器具が浅く作られています。

■一般の蛍光灯の構造

一般の蛍光灯の構造

建物の構造上Cチャンネルやダクトが邪魔をしなければこの様な浅い器具を使って
問題ありません。Cチャンネル回避型を設置することも可能ですがコスト高となります。

・T8管LEDランプを設置した事例

T8管LEDランプを設置した事例

このように器具が浅いためルーバーとの隙間がほとんどありません。
(写真が見にくいですが)恐らくT10管(32.5mm)ではルーバーが
接触して入らないかと思います。

❖LED蛍光灯の防水仕様の落とし穴

まずLEDの防水の意味と通常の蛍光灯の防水では「防水」の箇所の意味合いが違います。
通常の蛍光灯の防水の意味は蛍光灯のソケットを守る意味合いで防水ソケットが備え付けられています。
通常の蛍光灯は素材がガラス管でできているため、ランプそのものから水が浸入することはありません。

しかし、蛍光灯のと器具のソケット部が通常のようにむき出しになってしまっていると、水の侵入を許してしまい
場合によっては漏電を引き起こしてしまうこともあるのでソケット部にカバーを付け水の侵入を防ぐようにしています。

通常の蛍光灯の場合


通常の蛍光灯。ソケット部にはなにもありません。

通常の蛍光灯

防水ソケット装着の場合

厨房のケース①

防水ソケット装着の場合

厨房のケース②

防水ソケット装着の場合

防水ソケット装着の場合

赤枠の〇で囲ったあるよな防水キャップがソケットを保護しています。

ではLED蛍光灯の防水の意味は何を示しているのかというとランプそのもののことになります。

LED蛍光灯のランプの構造はポリカーボネート部と放熱アルミ部の2段構造で作られているため防水加工がされていないLED蛍光灯は、ここの隙間から水の侵入を許してしまい故障の原因につながってしまいます。

❖LED蛍光灯の構造

LED蛍光灯の断面図

このように通常の蛍光灯の防水の意味とLEDの防水の意味では内容がことなります。
LED蛍光灯はランプ本体を防水仕様のものにすることはもちろんのこと器具も防水器具にして初めて完璧な防水仕様になると言えます。

・インバーター式の防水器具の管軽は細い!!

次にLEDの工事をする際にどこに注意をしなければいけないかというと管径の大きさです。通常の蛍光灯の場合グロースターター式、ラピッドスタート式、インバーター式の3種類がありますがインバーター式を使っていた場合は管径に注意する必要があります。

インバーター式のランプの管径は25.5mmとなっているので、器具のソケット部のサイズとインバーター式のランプサイズとがしっかりと隙間なくおさまる設計になっています。ここでLED直管蛍光灯を防水仕様で選んだまでは良いとしても、この器具ソケットのサイズと同じで管径でなければ器具に入らないことになってしまいます。

もともとの使用ランプがグロースターター式もしくはラピッドスタート式であれば32.5mmなので
LED直管蛍光灯は問題ありません。25.5mmの管経で防水仕様の直管LEDだと、どこのメーカーであれば問題ないということですが、現段階でこれなら安心と言えるメーカーは無いかと思います。

・防水仕様の直管LED化の方法

防水仕様の場合はLEDと器具が一体式になっているものにするのが最適でしょう。
既存器具のランプ太さに影響されずスムーズに交換できる方法です。

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