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水銀灯の選び方

照明を水銀灯からLEDにしたら暗くなってしまったなどとよく耳にします。水銀灯をLEDにすることは、それほど難しいことではありませんが問題は選び方にあります。ここではLED水銀灯の正しい選び方と交換方法を解説します。

 

❖水銀灯の明るさの目安

現在利用している水銀灯によって選ぶLEDは変わります。メーカーのカタログをみると400Wや700Wの水銀灯が分かりやすく比較対象にされていますがメーカーによって、その基準も若干違いがあります。

 

例えば天井高5M~7Mの工場や倉庫の場合、400Wの水銀灯が多く使われていることがありますがLEDにする場合、明るさの目安は以下のようになります

 

LED代替えの明るさ目安

・水銀灯250W~300W  10,000~13,000ルーメンのLED

 

・水銀灯300W~400W  13,000~16,000ルーメンのLED

 

・水銀灯700W      16,000ルーメンのLED

 

✬メタルハライドランプには注意して下さい。メタルハライドランプは水銀灯の約1/2の消費電力で同等の明るさを持つ発光効率の良いHIDランプです。例えばメタルハライドランプ200Wは水銀灯で例えると400W相当の明るさに匹敵します。

 

❖LED化で明るくなる演色性とは

LEDの選定を正しく行えば室内は非常に明るくなります。水銀灯はもともと演色性が悪いため、どんよりとした空間に感じられます。演色性はRa40程度しかありません。ちなみに直管蛍光灯の演色性はRa80~90程あるので、その差は大きいかと思います。

水銀灯と蛍光灯を比較すると演色性は約1/2の数値ですから手元は暗くなりやすく実際の物の見え方が悪い状態となります。しかしLED水銀灯にすることで、この演色性が大幅に改善されます。

LED水銀灯の演色性はどのメーカーもRa70~と水銀灯の約2倍近い数値になる為、LED化することによって空間が綺麗な明るいイメージに変わります。

演色性とは実際の物見え方の再現性を数値化したものです。

 

❖水銀灯の配光

水銀灯の配光

水銀灯は発光面が360°なので配光が広いため光が重なり影ができにくく空間全体が明るくなります。水銀灯の器具(セード)によって更に光を拡散させる効果もあります。

 

 

❖LED水銀灯の配光

LEDの配光

光が広がらないため影ができてしまい空間に影ができやすくなります。
ただしLEDの水銀灯には光が拡散するような設計になっているものも多くあります。

 

❖LED水銀灯のタイプ

LED水銀灯には2のタイプがあります。E39口金タイプ(左)は既存器具が使えるタイプです。器具一体式は器具ごと交換するタイプです。ではどちらの水銀灯を選ぶべきか?それぞれメリット、デメリットを解説します。

 

まず口金タイプの特徴はコストが安価であることです。既存器具をそのまま利用することで器具代の負担を軽減できます。注意点としては水銀灯に比べ重量がある為、落下防止対策をしっかりする必要があることです。既存の器具はLEDの重量でも大丈夫というわけではないため落下防止ワイヤーなどで固定し安全対策をする必要があるという事です。またセードに入り込んでしまい明るさが不十分になる可能性も考えられます。

 

器具一体式はコスト以外の不安要素はみあたりません。水銀灯をLED化するのであれば器具一体式にすることをおススメします。

 

E39口金タイプ

 

水銀灯

口金E39水銀灯
※取付けイメージ
従来の水銀灯の重量約260gに対しLEDは約1.5㎏あるため落下防止ワイヤーを取り付け安全対策をします。
※上記商品は電源別置の為、本体重量となります

 

器具一体型

器具一体型水銀灯

 

 

 

❖LED化に失敗しないための具体的な方法

水銀灯のLED化に失敗しないためには現状を把握する必要があります。状況に合わせたLEDの選定が必要であり、その選定をするために何を確認する必要があるのか解説します。

・現状のランプを確認する

現在のランプを確認しましょう。

 

・何ワットの水銀灯か? 300W、400W、700W、1000W

 

・水銀灯(HF)なのかメタルハライドランプ(MF)なのか?
※とても重要です

 

水銀灯とメタルハライドランプは見かけは非常に似ているので品番で確認するのが良いでしょう。
(メタルハライドランプは水銀灯の倍の明るさを持ったHIDランプです)

 

HF400なら水銀灯の400WとなりますがMF400の場合はメタルハライドランプの400Wなので水銀灯に例えると800W相当を使用していることになります。このようなことに注意して現状のランプの確認をするようにしましょう。

・照度を測る

 

照度計は必須道具です。手軽なものでも2万円程度で購入できるので必ず照度計で床面照度を数箇所、測定しましょう。

 

(測る箇所)
①ランプの真下

②ランプの間

 

できれば光の入らない夜に測るのが理想です。日中は光が差し込んでしまいランプだけの照度にならなくてってしまいます。現状の明るさ指標を知るためには日中でも十分な指標を得ることになりますので必ず照度を計測して下さい。

 

・距離を測る。

 

距離計で距離をはかります。

計測イメージ図

建物の縦横を測ります。途中障害物があるかもしれまができるだけ障害物がない場所を探してレーザーを当てて下さい

 

・天井の高さ

・ランプまでの高さ

・ランプとランプの間隔

 

この3箇所を測って下さい。

 

このように現状を把握したら次は照度計算ソフトで概算のシミュレーションをしてみます。
この照度シミュレーションはあくまで床面の最大・最小・平均の照度を見るもので空間の明るさまでは見ることができません。しかし照度がシミュレーションできているのと、できていないのではLEDを設置する上では大事な指標となります。お客様も数値で見える化した提案をされた方が、よりリアルで安心できるのは間違いありません。
ただあくまでもシミュレーションであり、実際の明かりさを保証するものではない事は説明しなければいけません。

 

 

(照度シミュレーションイメージ)

照度シミュレーションイメージ

 

そして次はテスト設置をして実際の明るさを見てもらうことです。水銀灯のLED化は費用もかかります。台数が多ければリスクも大きいので一発勝負で全部設置をするのはさけた方が良いです。
1台でもいいので、まずはテスト設置をしてみることをして下さい。

 

ここまですればほぼ明るさで失敗するようなことはないかと思います。

 

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