バラストレス水銀灯は主に屋外の看板照明で使われます。一般水銀灯と違い安定器の働きをするバラストフィラメントが内蔵しているため安定器の設置工事が不要の水銀灯ランプです。
工事不要のためLEDの交換が簡単にできるのでが特徴です。演色性は一般的な水銀灯と同じようなRa49程度となっており水銀灯特有の青みと電球の赤味を混ぜたような光をしています。寿命は一般の水銀灯よりも短めで6,000時間~9,000時間程度となっています。
❖バラストレス水銀灯の種類
バラストレス水銀灯にはスタンダードな蛍光灯形(BHF)、反射形(BHRF)、ボール形(BHGF)、透明一般形(BH)、透明ボール形(BHG)があります。いずれも一般水銀灯に比べ演色性が優れているのが特徴です。
消費電力は小型のものでも100Wのものから大型のもので700Wと幅広く、小型のものは看板照明などに使用されますが大型のものは体育館の照明などに使われたりします。口金サイズはE26またはE39の2種類です。
❖バラストレス水銀灯とビーム球の違い
蛍光灯形(BHF) | 反射形(BHRF) | ボール形(BHGF) | 透明ボール形(BHG) |
---|---|---|---|
一般水銀灯に比べ演色性が良い
・160W ・250W ・300W ・500W ・750W |
一般水銀灯に比べ演色性が良い
・160W ・250W ・300W ・500W ・750W |
一般水銀灯に比べ演色性が良い
・100W ・160W |
一般水銀灯に比べ演色性が良い
・160W ・250W ・300W |
屋外の看板にはバラストレス水銀灯だけでなくビーム球も使用されることがあります。ビーム球は白熱電球に分類され、バラストレス水銀とは発光原理は違います。
ビーム球の特徴は、全面がガラスになっており集光性に優れているため主に看板照明などに使われています。
またビーム球にはハロゲンランプPAR形ビーム球があり店舗のスポットライト、防犯灯、ビル、看板などの投光照明、工事現場などにも多く使われています。
種類は60W形~150W形まで幅広くあり、口金のサイズはE26となります。屋外に使われることも多いビーム球ですが口金は防水加工はされていないため、雨や水滴のかかる状態では防水構造の屋外用器具で使用する必要があります。
また寿命は約2000時間ほどと短いランプです。
■ビームランプ
CRFビーム球150W形 | CRFビーム球100W形 |
---|---|
GE CRF ビーム電球 150W形 125W 屋内外兼用 ビームランプ 電球色 2700K 中角 E26口金 1400lm |
GE CRF ビーム電球 100W形 電球色 2700K 中角 E26口金 870lm 85W 屋内外兼用 ビームランプ |
★屋内ではスポットライトとして利用することができます。屋外では看板照明としてスポットライトにできますが、防水構造ではない為、口金部分は防水パッキン加工をして利用することをおすすめします。★
❖バラストレス水銀灯LEDの省エネ効果
従来のバラストレス水銀灯の消費電力は160Wのものから700Wまで幅広くあります。たとえば看板などで使われる口金E26の160WバラストレスをLED化するとおおよそ90%も省エネ効果があります。
口金39の300WバラストレスランプはLEDでは約45Wとなり約85%も省エネ効果となります。
一般蛍光灯の消費電力が40Wと比べると4倍以上もの消費電力となるため電気代の負担も大きなランプと言えます。
一ヶ月の電気代で比較してみると・・
■蛍光灯電気代(1本):40W×250時間/月×0.028円=280円
■バラストレスランプ(1個):160W×250時間/月×0.028円=1120円
※0.028円は東京電力の従量電灯Cの平均単価として
どうでしょうか。
蛍光灯と比べるとバラストレス水銀灯の電気代の大きさが分かるかと思います。消費電力の大きいバラストレス水銀灯は電気代も大きいためLED化することで大きなコスト削減になるという事です。またコスト面だけでなく高所作業による交換の手間や害虫対策などにもメリットがあります。
省エネ効果の高いバラストレス水銀灯形のLED
❖バラストレスランプ水銀灯LED化まとめ
バラストレス水銀灯は、省エネ効果が非常に高く回収コストも早いためバラストレス水銀灯のLED化は企業や店舗にとっても大きなメリットになると言えるのではないでしょうか。
交換には電気工事は必要ありませんが、バラストレス水銀灯は高所にあることの多い、交換に苦労するランプの代表格でもあります。
しかし、前述の通り省エネ効果が非常に高いので、バラストレスランプを使っていたら是非LED化を検討してみてはいかがでしょうか。