様々な店舗やビル、施設など蛍光灯などの照明の多くがLEDに入れ替わっているのはお気づきでしょうか?
普段何気なく歩いている道路では街路灯が明るくなっていて見上げるとLEDのつぶつぶが眩しく感じたりします。
駅のホーム、電車の中でも「LEDマーク」が張られていてLED化であることをアピールしていたりします。
コンビニはLED化の先駆けのような代表格でしたが、そのコンビニがLEDをリニューアルしています。
このように、私たちの生活のあらゆる場所でLED化が進んでいるのがお分かり頂けるかと思います。
ではなぜ今、LED化が加速していると思いますか?
それとも何か変えなければならない理由があるのでしょうか?
その理由が以下の4つです。
LED化が進む4つの理由
- 費用対効果・経済性の向上
- 蛍光灯・水銀灯・蛍光灯器具のメーカー生産修了
- 国際条約による規制(水俣条約)
- 政府によるLED化の成長戦略
- 電力自由化の後押し
LED化は2020年の東京オリンピックに向けてますます加速しています。今回はLED化が進む理由について詳しく解説していきます。
LEDの費用対効果と経済性の向上
LEDは経済性に優れていることは周知のとおり誰でも知っていることです。
インターネットでも家電量販店でも現在では格安で売られていて誰でも簡単に購入できます。
ただ一般家庭で使用している「電球形」のLEDとオフィスや工場などで使用している照明は違います。
購入できたとしても工事が必要であり、そもそもどの製品を選べば良いのかは素人では判断できません。
まして工事があるわけですから簡単に取り付けて省エネとはいきません。
しかし冒頭でも書きましたがオフィスや工場、公園、駐車場、道路など蛍光灯や水銀灯のLED化が進んでいるのです。
今更ということではありますが念のためにLEDのメリットをおさらいの意味で解説します。
長寿命
1つ目は、長寿命だということです。
蛍光灯の寿命が約6,000~12,000時間と言われているのに対して、LEDは約40,000時間と言われています。
そのため、頻繁に交換する必要もないので、高い場所など交換作業がしにくい場所にはもってこいの照明です。
省エネ・経済性に優れている
LEDは省エネで経済性に優れているので電気代が安くなるのが最大のメリットです。
40形の蛍光灯であれば約70%~80%の省エネ効果が期待できます。
LEDの省エネ性は昔とは同じではないというのがポイントです。
LEDは日進月歩で進化しているのです。
蛍光灯形LEDではインバーターが小型化、性能が向上し、少ない消費電力で明るくなるといった進化を遂げています。
たとえば昔のLED蛍光灯の40形は20Wで2000ルーメン(100lm/W)でしたが現在は12Wで2000ルーメン(166lm/W)です。
この意味がおわかりでしょうか?
ワットは消費電力ですが、消費電力とは「力」のようなものです。少ない力で明るくなったということです。
これが進化でありLED化が加速している理由です。
弊社推奨LEDランプ
安定器にかかる消費電力がいらない
では、蛍光灯を対応した同形のLEDに変えればそれでいいのか、というとそういう訳ではありません。
確かに、工事不要なものもあり、そちらの方が初期投資としては安く済みます。
しかしながら、工事をせずに蛍光灯用の安定器をそのまま使い続けると、結局のところあまり節電効果が得られないことがあります。
また、安定器の寿命は10年なので、LEDがせっかく長寿命でも、安定器との関係で結局、寿命が短くなってしまいます。
しかも、最悪の場合には発熱・発火することもあります。
なので、初期投資が必要にはなりますが、最初に古い安定器を外すなどの電気工事をすることが、安全のために重要になってきます。
そのLEDへの交換方法としては、器具ごと交換する方法や外部電源を使用する方法、また内部電源タイプのLEDを使用する方法があります。
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるので、その施設に合った方法を検討することが必要です。
また、電気工事士資格が必要な工事になるので、専門の業者に相談することも大切です。
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LEDの4つの特徴
LEDの特長
- 低発熱により日焼けしにくい。
- 低紫外線により虫が寄り付き難くなる。
- 瞬間点灯のため一度けしても直ぐに明るくなる。
- ポリカーボネート素材(蛍光灯)で落下しても飛散しないため安全。
- 水銀を含まないため環境によい。
LEDの光は熱くないのでエアコン等の効率アップに繋がるので、とても経済性に優れた照明だと言えます。
しかし、LEDのメリットはそれだけではありません。
例えば、オンオフを繰り返しても寿命に影響がないので、トイレや廊下など頻繁に点灯消灯を繰り返す場所にも適しています。
紫外線や赤外線がほとんどでないので、対象物を痛めにくく、本や美術品などの保管場所にも有効的です。
また、蛍光灯などのようにガラス管を使用せず、プラスチック等を利用しているため、衝撃や振動に強いと言えます。
そして、蛍光灯などは水銀を使用していますが、LEDは水銀を一切使用していないので、環境にも優しい照明です。
このように、蛍光灯からLEDに変えることで多くのメリットが得られます。
水俣条約が蛍光灯をLEDにかえるきっかけに
先程述べた通り、LEDには多くのメリットがあります。
特に経済性に優れている点で、LEDへの買い替えを検討される方が多いかと思います。しかしながら、街中の照明がLEDに変わってきている理由は、それだけではありません。
「水銀に関する水俣条約」という水銀規制の条約が世界で発効されたことも、きっかけのひとつなのです。
この条約の主な内容は、電池、化粧品や血圧計など水銀を含む製品の製造・輸出・輸入を2021年以降禁止するというものです。
照明に関しても、基準値を超える水銀を使用した水銀灯は製造・輸出・輸入が禁止され、蛍光灯も水銀封入量が規制されます。
とは言っても、日本のメーカーはほとんどの蛍光灯が規制値以下なので、引き続き販売・製造が可能です。
2020年に向けて水銀灯・蛍光灯が終息
ですが、やはりこの条約をきっかけに、日立アプライアンスや東芝ライテックはすでに蛍光灯ランプの生産を終了し、パナソニックや三菱電機照明も19年3月末で生産を終了するとしています。
水銀灯ランプも「水銀に関する水俣条約」を受けてパナソニック株式会社 2020年6月末に終了在庫が無くなった後は、交換用ランプが手に入らなくなります。
蛍光灯器具は大手メーカー3社が政府の動きを受けてパナソニック株式会社 2019年3月末に終了、NECライティング株式会社 2018年3月に終了、東芝ライテック株式会社 2017年3月に終了とし器具が壊れた際、買い替えることができない可能性があります。
このように、国内主要メーカーが蛍光灯や水銀灯の生産を終了するので、既存施設の照明が故障した場合に補修することがだんだん難しくなってきています。
こうして、蛍光灯からLEDへの付け替えが加速しているのです。
政府による新成長戦略
内閣府は2010年に発表された「新成長戦略」と「エネルギー基本計画」の中で2020年までにLED照明などの次世代照明の100%化を目指と方針が示されました。
LED照明や有機EL照明など高効率次世代照明を2020年までにフロー100%、2030年までにストックで100%普及させる目標です。
照明器具についてもインバーター化を推進。LED照明の研究開発の加速、導入支援策、省エネ基準の強化等を通じて、更なる省エネ性能の向上を図るとしています。
このように政府によるLED化の推進目標が掲げられたことや水俣条約による水銀規制によって各照明メーカーでも蛍光灯ランプ、蛍光灯器具、水銀ランプの生産が終了を発表しています。
これによって今後の照明は必然的にLED化が進んでいくことは誰でもお分かり頂けることかと思います。
低圧部門の電力自由化
2016年に一般家庭に向けた低圧電力の自由化により電力小売りの全面自由化になったことは記憶に新しい。
これによって、これまで地域電力会社が独占してきたが、様々な業種・業態の企業が新規参入をし新電力として電力の小売りが開始されました。
需要家にとっては自由に電力会社を選べるため価格や付帯サービスなど自分の使い方に合った新電力に乗り換えることができるようになりました。
新電力同士の価格競争は需要家にとってはメリットが大きくLED化のタイミングに合わせ電力会社を見直す企業が増えました。
まとめ
いかがだったでしょう。なぜLED化が進んでいるかお分かり頂けたでしょうか。
日進月歩でLEDの省エネ効果が向上していることで、これまで費用対効果がなかったランプがLED化され始めました。
政府の成長戦略によるLED化や水俣条約によりメーカーの水銀ランプや蛍光灯の生産修了などLED化が進む理由が沢山あることがお分かり頂けたかと思います。
あたなのオフィスや工場などまだLED化をしていない箇所があれば是非、検討してみてはいかがでしょうか。
蛍光灯をLEDに変える理由やメリット
- LEDに変えることで経済的にも機能的にも多くのメリットがある。(LEDの進化)
- 水俣条約により蛍光灯・水銀ランプが生産を終了するからである。
- 付け替えの際には、安定器を外す工事をすることで、安全に、そして、製品寿命までしっかり使用することができる。