❖色の不思議|あかりの基本
人はどうして色が見えるのかを考えたことはありますか?
晴れた日に公園で咲いている花々を見ていると、赤い色の花や緑色をした葉っぱが目に移りますが同じ場所でも夜ではどうでしょか。昼間に見ていた光景とは違い、色が識別できないのではないかと思います。
もちろんこれは暗いからです。ということは色は光がなければ見ることができないという事になります。このように色と光は深い関係にあります。
私たちの周りにある物体には色がついているようにみえますが、物体に色が付着しているわけではありません。ではなんで色として知覚できているのか不思議ではないかと思います。
物体そのものには色がないのに人には色が見えるのか?本当に不思議な感じがしませんか。
また不思議なことに同じ色でも照明の条件や環境によって、違った色にも見えてしまいます。
例えば皆さんはこんな経験をしたことがないでしょうか。車を運転していてトンネルに入ると目の前を走る車の色が何色だか分からないといったことを経験されたことがあるかと思います。
このように色は光がなければ見ることができきず、ある程度の光エネルギーの刺激があって色を感知することができるのです。
すなわち色は光との関係によって生じるものになります。
また人が色を見る為には人間の視覚が必要になります。この視覚で刺激を受け脳に指令を送ることで色を認識することになります。
❖反射光で物の色が見える
例えば、リンゴやイチゴはどうして赤く見えるのか。何故緑や青ではないのか不思議ではありませんか。
光の不思議でもお話しましたが白色光は6色の色が集まった可視光です。
リンゴやイチゴが赤く見えるのは、比較的波長の長い赤を反射することで人の目にはリンゴやイチゴから赤い光が届き赤く見えるという事です。
ではこのリンゴに別の色の光を当てるとどのようにみえるのでしょか。
紫・青・緑といった光を当てたとします。
するとリンゴから反射される光はほほとんどないのでリンゴは黒く見えてしまいます。
リンゴを綺麗に見せるには逆に赤っぽい光を当てれば良いのですが、スーパーや八百屋に行くとほとんどのお店ではオレンジ色をした照明(ハロゲンランプ)を使っています。このハロゲンランプの光はオレンジ色が強いので、このハロゲンランプで照らされたリンゴは赤い色を反射して私たちの目に赤く映り綺麗に美味しそうにみえるのです。
このように反射する光で物を見ることができ、更に照らされる光の色によって物の見栄えが大きく変化してきます。
食品を扱うスーパーや料理を提供する飲食店などは商品が良く見えるように、この光と色の性質を使ったライティングをしています。
反射による色の認識
❖目に見える光線
私たちの視覚に入り込んだ光は「電磁波」と呼ばれる放射エネルギーです。この電磁波には私たちの目で見える波長と見えない波長があります。
ガンマ線、X線、紫外線、赤外線、レーダー波、ラジオ波、テレビ波、と短いものから長いものになって続いており、この波長の中で人の目に見えるのは、紫外線と赤外線の間のわずかな波長で380nm~780nmの範囲となります。
この人の目でみることができる光を可視光と呼びます。