
電気代が高い原因は、請求書で単価と使用量のどちらが動いたかを確かめることから調べ始めます。
次にスマートメーターの30分値データで時間帯を絞り、最後に設備を点検すると切り分けられます。
やみくもに節電を呼びかけるより、この順番で進めたほうが手戻りは少なくなります。
ここでは法人の施設管理担当者の方に向けて、社内で進められる診断手順と原因が見えた後の対策の進め方を整理しました。
📌 この記事でわかること
- 1
法人の電気代が高い原因は、燃料費調整額や再エネ賦課金などによる料金単価の上昇と、設備の稼働増や経年劣化による使用量の増加の2系統に分けて調べます。
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電気代が高い原因を調べる最初の手順は、請求書の契約電力・使用電力量・力率・燃料費調整額の4項目を、前年同月と前月の2通りで比較することです。
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電気使用量の増加は、スマートメーターの30分値データを平日と休日の時間帯別グラフで比べ、発生時刻を特定すると原因設備を絞り込めます。
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設備別の原因特定では、業務用エアコンのフィルターや室外機の汚れと設定温度、照明の蛍光灯・水銀灯の残存数と点灯時間、冷蔵設備や待機電力を確認します。
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電気代の原因が特定できた後の対策は、効果の見込み・投資額・設備の更新時期の3観点で優先順位を決め、投資を伴わない運用改善から着手します。
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📑 この記事の内容
1. 原因の全体像をつかむ
2. 3段階で原因を突き止める
3. 対策と相談につなげる
法人の電気代が高くなる原因とは|料金単価と使用量の2系統で考える🔗

定義:法人の電気代が高くなる原因とは、料金単価の上昇と電気使用量の増加のどちらか、または両方のことです。
結論:法人の電気代の原因調査は、単価側の要因と使用量側の要因を分けて考えると進めやすくなります。
- 要点1:燃料費調整額や再エネ賦課金の変動は、自社の使い方と関係なく電気料金の単価を押し上げます。
- 要点2:設備の稼働増や経年劣化、運用ルールの乱れは、施設の電気使用量そのものを増やします。
- 要点3:電気代の原因調査は、請求書確認、データ分析、設備別の特定、対策の順で進めます。
たとえば、ある月の電気代が前年同月より大きく増えた施設を想定してください。照明も空調も普段どおりに使っていたなら、増加分の多くは燃料費調整額の上昇で説明できる可能性があります。燃料費調整額とは、発電に使う燃料の輸入価格の変動を電気料金に反映させる仕組みです。反対に単価が横ばいなのに金額だけが増えていれば、施設のどこかで使用量が増えていると考えられます。同じ「高い」でも、疑う場所はまったく違ってきます。
法人の電気料金は、主に基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金で構成されています。再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの買取費用を電気の利用者全体で負担する制度で、単価は国が年度ごとに定めています。このうち燃料費調整額と再エネ賦課金は、使い方を工夫しても自社では動かせない要素です。基本料金と電力量料金は契約内容と使用量によって増減し、契約プランの条件変更も単価側の要因に含まれます。
電気料金の要素と原因の系統
| 料金の要素 | 金額を決めるもの | 原因の系統 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 契約電力・契約容量 | 使用量側(ピーク)・契約条件 |
| 電力量料金 | 単価×使用電力量(kWh) | 単価側と使用量側の両方 |
| 燃料費調整額 | 燃料の輸入価格の変動 | 単価側 |
| 再エネ賦課金 | 国が定める単価×使用電力量 | 単価側 |
オフィス・工場・店舗・公共施設と用途の異なる現場を見てきて言えるのは、原因が一つに絞れるケースのほうが少ないという点です。単価の上昇と使用量の増加が同じ月に重なると、どちらの影響が大きいのか見えなくなります。最初に単価側と使用量側を分けておくと、その後の調査で見るべき資料が自然に決まります。単価側なら請求書と契約書、使用量側ならデータと設備が調査の対象となります。
💡 ポイント
単価側の要因は自社の努力では動かしにくい一方、使用量側の要因は運用や設備で改善できる余地があります。調査の目的は改善できる部分を見つけることにあります。
この2系統の考え方を、実際の調査では請求書確認→使用量データの分析→設備別の特定→対策の4段階に落とし込みます。請求書で単価側の影響を把握し、残った差をデータと設備の点検で追いかける流れです。法人施設で原因になりやすい項目の全体像は、以下の記事で詳しく整理しています。
→ 電気代が高いと感じたら|法人が確認すべき原因の全体像を解説
ポイントは、最初に単価側と使用量側を分けることです。そうすれば次に見る資料が請求書なのか設備なのかがはっきりするのが大きな利点ですね。
原因を調べる手順①:請求書・検針票で料金内訳と契約内容を確認する🔗

定義:請求書・検針票の確認とは、料金の内訳と契約条件を読み取り、電気代が増えた項目を特定する作業のことです。
結論:電気代の原因調査の最初の手順は、請求書の数字を前年同月・前月と並べて変動した項目を探すことです。
- 要点1:電気料金の請求書では、契約電力・使用電力量・力率・燃料費調整額の4項目を優先して確認します。
- 要点2:高圧の実量制契約では、基本料金の基準となる契約電力がデマンド値をもとに決まります。
- 要点3:前年同月との比較は季節の影響をそろえやすく、前月との比較は急な変化を捉えやすい方法です。
請求書を手元に置いても、どの欄が原因につながるのか判断に迷うものです。明細には似た単位の数字が並んでおり、普段と何が違うのかが見えにくい構成になっています。先に結論をお伝えすると、見るべき欄は契約電力・使用電力量・力率・燃料費調整額の4つに絞れます。この4項目を前年同月と前月の請求書から書き出し、差が大きい欄から疑っていきます。
確認の着眼点は契約区分によって変わります。高圧契約は工場やビルなど規模の大きい施設で多く、基本料金の基準になる契約電力がデマンド値で決まる形が一般的です。デマンド値とは、30分ごとの平均使用電力のうち最も大きかった値を指します。これに対して低圧契約は小規模な店舗や事務所に多く、契約容量などで基本料金が決まるため、金額の変化は主に使用電力量から生じます。
| 確認項目 | 高圧契約で見る点 | 低圧契約で見る点 |
|---|---|---|
| 契約電力・契約容量 | デマンド値が以前より上がっていないか | 契約容量が実態に合っているか |
| 使用電力量(kWh) | 前年同月・前月からの増減 | 前年同月・前月からの増減 |
| 力率 | 基準を下回り割増になっていないか | 契約によっては記載がない |
| 燃料費調整額 | 1kWhあたり単価の推移 | 1kWhあたり単価の推移 |
Q. 請求書にある力率はなぜ確認するのですか
力率とは、供給された電気のうち実際に仕事に使われた割合を示す数値です。モーターを多く使う施設では下がりやすく、高圧契約では力率に応じて基本料金が割引・割増される仕組みがあります。力率を改善する進相コンデンサという機器が劣化すると、設備を増やしていないのに基本料金が上がることもあります。力率の欄が以前より下がっていれば、電気設備の点検を専門業者に相談するきっかけになります。
Q. 前年同月と前月、どちらと比べればよいですか
両方と比べるのがおすすめです。前年同月との比較は気温など季節の条件をそろえやすく、年単位でじわじわ増えている原因の発見に向いています。前月との比較は、設備の故障や運用の変化など急に起きた変化を捉えやすい方法です。2つの比較で同じ項目が動いていれば、その項目が原因の中心にあると判断できます。
⚠️ 注意
燃料費調整額の単価が上がった月は、節電しても請求額が下がらないように見えます。単価の影響と使用量の変化は分けて計算し、節電の効果を正しく評価してください。
請求書とデータ確認で押さえる数字
請求書の段階で単価側の影響が大部分を占めると分かれば、調査の重心は契約の見直しへ移ります。反対に使用電力量や契約電力が増えていれば、原因は施設の中にあります。請求書は原因を言い当てる資料ではなく、次にどのデータを調べるかを決める入口と考えてください。次の手順では、増えた使用量が「いつ」発生しているのかをデータで確かめます。
ここ大事なんですけど、請求書は合計金額より契約電力と力率の欄を先に見てください。基本料金が増えたときの手がかりは、たいていその欄なんですよ。
原因を調べる手順②:使用量の推移とデマンドデータで異常を切り分ける🔗

定義:デマンドデータとは、施設の電気使用量を30分ごとに記録した時系列のデータのことです。
結論:電気使用量の増加は、月別・時間帯別のグラフで発生時刻を特定すると原因設備を絞り込めます。
- 要点1:30分値データは、契約先の電力会社の法人向けWebサービスなどから取得できる場合があります。
- 要点2:夜間や休日に使用量が下がらない施設では、待機電力や設備の消し忘れが疑われます。
- 要点3:電気使用量の増減は、気温・営業日数・稼働状況と照合してから異常と判断します。
ここで最も重要なのは、増えた使用量が何時に発生しているかを特定することです。月の合計値だけでは、空調なのか照明なのか生産設備なのかを見分けられません。スマートメーターが設置された施設では、使用量が30分単位で記録されています。契約先の小売電気事業者の法人向けWebサービスやデマンド監視装置の記録から、この30分値データを取得できる場合があります。取得方法が分からないときは契約先の窓口に問い合わせてください。
時刻が特定できると、疑う設備の候補は大きく減ります。始業直後にピークが出ていれば空調の立ち上げ、深夜に一定量が続いていれば冷蔵設備や待機電力が候補に挙がります。電力消費を機器の保有状況と使い方に分けて分析する研究は計量経済学の分野でも古くから行われてきました。法人施設でも「どの機器が・いつ・どれだけ使ったか」に分解する考え方は変わりません。
| グラフに表れるパターン | 疑われる原因 | 次に確認する設備 |
|---|---|---|
| 夜間・休日も使用量が下がらない | 待機電力・消し忘れ・常時運転 | 照明・空調・OA機器・冷蔵設備 |
| 始業直後に鋭いピーク | 設備の一斉起動 | 業務用エアコン・生産設備 |
| 特定の日だけ突出 | 臨時稼働・設備の異常運転 | 当日の稼働記録 |
| 全時間帯で前年より底上げ | 経年劣化・機器の増設 | 空調・冷凍機・照明 |
具体的には、月別グラフで前年との差が大きい月を選び、その月の時間帯別グラフを平日と休日に分けて表示します。休日の使用量が平日と大きく変わらなければ、止めてよい設備が動き続けている可能性があります。デマンドのピークは発生した日付と時刻を控えておくと、その時間帯に動いていた設備を現場に確認できます。データで時刻を押さえ、現場の記録で設備を当てはめる順番が切り分けの基本です。
30分値データで異常を切り分ける流れ
- 月別グラフで差の大きい月を選ぶ
前年同月との差が大きい月を抜き出し、分析の対象を決めます。 - 時間帯別グラフを平日・休日で比べる
休日の使用量が平日と変わらなければ、止めてよい設備が動いている可能性があります。 - ピークの日付と時刻を控える
その時間帯に動いていた設備を、現場の稼働記録と照合します。 - 外部要因と照合する
気温・営業日数・生産実績で説明できない増加だけを異常として扱います。
💡 ポイント
高圧の実量制契約では、デマンドのピークが一度発生するだけで契約電力に反映されることがあります。ピーク発生日の作業内容や設備の起動順を記録しておくと、原因の推定が早まります。
注意したいのは、使用量の増加がすべて異常とは限らない点です。猛暑や厳冬で空調の負荷が増えた月、営業日数が多かった月、受注増で稼働時間が延びた月は、使用量が増えて当然と言えます。気温の記録や営業カレンダー、生産実績をグラフの横に並べ、外部要因で説明できない増加だけを異常として扱ってください。異常な請求額が出たときの対応に絞った手順は、以下の記事も参考になります。
補足すると、30分値データは平日と休日のグラフを並べるだけでも傾向がつかめます。まずは休日夜間の使用量から見るのが分かりやすいと思います。
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➤無料で見積り・相談する原因を調べる手順③:空調・照明など設備別に消費電力の原因を特定する🔗

定義:設備別の原因特定とは、空調・照明・冷蔵設備などの消費電力を個別に確認し、使用量増加の発生源を突き止める作業のことです。
結論:設備別の点検は、データで絞り込んだ時間帯に動いている設備から順に進めると効率的です。
- 要点1:業務用エアコンの消費電力は、経年劣化、フィルターや室外機の汚れ、設定温度の運用で変わります。
- 要点2:照明設備の点検では、蛍光灯・水銀灯の残存状況、点灯時間、不要箇所の点灯を確認します。
- 要点3:分電盤での計測など電気工事を伴う作業は、有資格者や専門業者に依頼します。
2019年から業務用エアコンの機種選定と設置を照明工事とあわせて手がけるなかで見えてきたのは、照明と空調を別々に点検すると原因を見誤りやすいという点です。照明を新しくしても請求額が思うように下がらず、調べ直すと空調の運用に原因があったという流れは現場でしばしば見られます。設備別の点検では照明と空調をあわせて見る視点が欠かせません。
業務用エアコンで確認したいのは、使用年数、フィルターと室外機の汚れ、設定温度の運用ルールです。フィルターが目詰まりすると風量が落ち、同じ室温を保つためにより多くの電力を使います。室外機の周囲に物が置かれて熱がこもる状態も効率を下げる原因になります。設定温度が部署ごとにばらばらで、同じフロアで冷房と暖房が同時に動いている運用も見落とされがちです。長く使っている機種は、内部部品の劣化で効率が落ちている可能性もあります。
照明設備では、蛍光灯や水銀灯がどれだけ残っているかを区画ごとに書き出すところから始めてください。あわせて各区画の点灯時間や、倉庫・通路など人がいない時間も点いたままの箇所を確認します。器具の種類を記録しておく作業は、将来の更新計画にも直結します。水俣条約に基づく規制で、一般照明用の蛍光灯はコンパクト形が2026年12月31日、直管形・環形が2027年12月31日で製造・輸出入が禁止されます。規制後も使い続けることは可能ですが、交換用ランプは入手しにくくなっていきます。
一般照明用蛍光灯の規制スケジュール
照明と空調のほかに見落とされやすいのが、冷蔵・冷凍設備と生産設備、そして待機電力です。冷蔵・冷凍設備は24時間動くため、扉のパッキンの劣化や庫内の詰め込みすぎが夜間の使用量を押し上げます。生産設備は、休憩時間や段取り替えの間に空運転していないかを現場で確かめてください。事務所ではOA機器や給湯設備が、休日も通電したまま電力を使い続けている場合があります。
設備単位で消費電力を把握するには、計測機器を使う方法があります。コンセントに差し込む簡易計測器であれば、事務機器などの使用量を担当者自身で確かめられます。一方で分電盤を開けて回路ごとに測る作業や、計測器の常設は感電や設備停止のリスクを伴います。電気工事を伴う計測は、電気工事士などの有資格者や専門業者に依頼してください。
🔴 重要
分電盤の内部には通電部が露出しています。資格や経験のない方がカバーを外して計測することは避け、専門業者に作業や立ち会いを依頼してください。
点検結果は「設備名・場所・稼働時間・気づいた点」を一枚の表にまとめておくと、対策の優先順位を決める材料になります。データで絞った時間帯と照らし合わせ、該当する設備に印をつけていけば、原因の候補は数えるほどに減っていきます。次は、特定した原因を対策に結びつける進め方を確認します。
よく聞かれるんですが、分電盤での計測まで社内で行う必要はありません。簡易計測器で分かる範囲を先に確かめ、残りは専門業者に任せてみてください。
原因が特定できた後の対策の進め方と注意点🔗

定義:原因特定後の対策とは、調査で見つかった原因に合わせて契約見直し・運用改善・設備更新を選び、順に実行することです。
結論:電気代の対策は、効果の見込み・投資額・設備の更新時期の3つの観点で優先順位を決めて進めます。
- 要点1:運用改善は投資を伴わないため、設備更新より先に着手しやすい電気代対策です。
- 要点2:省エネ関連の補助金・助成金は採択が保証されないため、公式サイトの最新情報を確認して計画に組み込みます。
- 要点3:電気工事を伴う対策や省エネ法の報告に関わる判断は、専門家に相談して進めます。
原因が見えてくると、次に迷うのが「どれから手をつけるか」という点です。コスト削減と言われても、何から始めればよいか分からないものです。見極めの軸になるのは効果の見込み・投資額・更新時期の3つです。運用で直せる原因はすぐに、設備更新が必要な原因は時期と予算を見ながら計画的に進めると、無理のない順番になります。
| 原因のタイプ | 対策の方向性 | 着手のタイミング |
|---|---|---|
| 単価側(契約・プラン条件) | 契約内容・プランの見直し | 契約更新の時期に合わせて検討 |
| 運用の乱れ(消し忘れ・設定温度) | 運用ルールの見直しと周知 | 投資なしで着手可能 |
| デマンドのピーク | 設備の起動順の調整・監視 | 運用変更から段階的に |
| 設備の劣化・旧式器具 | 空調更新・LED化などの設備更新 | 投資回収の試算後に計画 |
公共工事の入札でも、価格だけでなく根拠のある提案が評価される傾向があります。民間施設の対策でも同じことが言えます。調査で集めた請求書の比較やデータのグラフは、社内で予算を通す際の根拠としてそのまま使えます。設備更新を提案するときは投資回収の目安を添えると判断が進みやすくなりますが、回収年数は機器単価・電気使用量・運用条件で変動するため前提条件を明記してください。
Q. 設備更新に補助金は使えますか
国や自治体の省エネ関連の補助金・助成金を活用できる場合があります。ただし公募には期間や要件があり、申請しても採択されるとは限りません。制度の内容は年度ごとに変わるため、最新情報は各制度の公式サイトで確認してください。補助金を上手に使えば初期コストは想像より抑えられます。不採択の場合も含めて計画を立てておくと安心です。
Q. 省エネ法の報告が関わる場合はどうすればよいですか
一定規模以上のエネルギーを使う事業者には、省エネ法に基づくエネルギー使用状況の定期報告などが求められます。対策の内容が報告にも影響するため、該当する事業者の方は専門家に相談しながら進めてください。自社が対象かどうか分からない場合も、先に確認しておくと後の手戻りを防げます。
⚠️ 注意
照明器具の交換や空調の入れ替えなど、配線を伴う対策には電気工事士の資格が必要です。社内で作業せず、有資格者のいる専門業者に依頼してください。
調べた結果は、すぐ直せるもの・計画して直すもの・専門家に委ねるものに分けて対策の順番に置き換えてください。停電時の備えも含めて設備投資を考える場合は、蓄電池も選択肢に入ります。蓄電池はピーク時の電力を補う使い方もあり、停電時に使える時間は機種・負荷により異なります。防災の観点から検討する際の基本は、以下の記事で整理しています。
→ 蓄電池防災とは?法人BCPで備える停電対策・容量・選び方の基本
意外と見落としがちですが、調査で作った請求書の比較表やグラフは、設備更新の予算を社内で通すときの根拠としてそのまま使えるかもしれません。
社内での調査が難しい場合は専門家の無料省エネ診断を活用する🔗
定義:無料省エネ診断とは、専門家が請求書・設備・運用状況を確認し、電気代が高い原因と対策の方向性を整理するサービスのことです。
結論:データ不足や設備の多さで社内調査が進まない場合は、専門家の無料省エネ診断を活用すると判断が早まります。
- 要点1:30分値データが取れない施設や設備の種類が多い施設では、電気代の社内調査に限界が出やすくなります。
- 要点2:専門家の省エネ診断では、契約内容・設備の状態・運用状況をまとめて確認します。
- 要点3:省エネ診断の前に請求書・設備一覧・図面を用意しておくと、確認が効率よく進みます。
社内での調査が行き詰まったときは、無理に続けるより専門家の目を入れたほうが早く結論にたどり着けます。限界が出やすいのは30分値データが取得できない施設や、空調・照明・生産設備が多岐にわたる施設です。分電盤での計測など専門知識が必要な場面も同様です。担当者の方が本来の業務と並行して調べるには、負担が大きすぎるケースもあります。
特定メーカーの製品だけで対策を考えると、原因に合った選択肢を取りこぼしやすくなります。エネプラの無料省エネ診断では、国内外のメーカーを横断した商品選定をもとに、契約・運用・設備の3方向から原因を確認します。補助金申請サポートから施工・保守までワンストップで対応するため、診断結果をそのまま実行計画に移せます。
準備していただきたいのは、前年同月と比べられる期間分の請求書、設備一覧、施設の図面です。この3つがあると診断の精度と進み方が大きく変わります。設備一覧は型番や設置年が分かれば十分で、完璧な台帳でなくてもかまいません。手元にあるものからまず集めてみることをおすすめします。
無料省エネ診断の前に用意する資料
- 電気料金の請求書・検針票(前年同月と比較できる期間分)
- 空調・照明・冷蔵設備などの設備一覧(型番・設置年が分かるもの)
- 施設の図面(照明の配置や分電盤の位置が分かるもの)
- 営業日・稼働時間などの運用記録
💡 ポイント
まずは現状の電気使用量を把握するところから始めれば大丈夫です。請求書を並べるだけでも、診断で確認すべき点は絞られていきます。
原因が一つ特定できたら、そこで調査を終わらせずに次の段階へ広げる余地があります。照明の点灯時間を見直した施設であればLED化の回収シミュレーションへ、空調の運用を改めた施設であれば機種更新や電力契約の見直しへと進めることができます。調査で見えた原因を起点に、次の対策へつなげていく流れです。御社の調査結果は、次にどの対策へつなげられそうでしょうか。気になる点があれば、エネプラの無料省エネ診断をお気軽にご利用ください。エネルギーを起点に会社全体のコスト削減を進める手順は、以下の記事で解説しています。
原因調査を進める順番と分担
電気代が高い原因は、請求書で単価と使用量を分け、30分値データで時刻を絞り、設備を点検する順に調べると手戻りなく特定でき、社内調査が難しい場合は無料省エネ診断を活用できます。
- まず前年同月と前月の請求書を並べ、単価側と使用量側のどちらの影響が大きいかを切り分けてから調査対象を決めてください。
- 電気使用量が増えている場合は、休日夜間の30分値データから確認し、気温や営業日数で説明できない増加だけを設備点検の対象にしてください。
- 電気代の調査結果は、すぐ直せるもの・計画して直すもの・専門家に委ねるものに分け、分電盤での計測や配線工事は有資格者に依頼してください。
よくある質問
よくある質問について:実務で直面しやすい疑問や判断に迷いやすいポイントを中心に、読者から多く寄せられる質問を観点別に整理しました。本文と併せてチェックリストとして活用してください。
30分値データが取得できない場合はどう調べればよいですか?
請求書の月別推移を前年同月と並べ、営業日数や気温と照合するだけでも増加の傾向はつかめます。あわせて休日や夜間に現場を見回ると、消し忘れや常時運転の設備を見つけやすくなります。データの取得可否は契約先の窓口にも確認してください。
燃料費調整額による増加分はどう計算すればよいですか?
請求書に記載された1kWhあたりの燃料費調整単価を前年同月・前月と比べ、単価の差に当月の使用電力量を掛けると、単価上昇による増加額の目安が出ます。請求額の増加からこの金額を差し引いた残りが、使用量側の要因と考えられます。
一度デマンド値が上がると基本料金にどれくらい影響しますか?
高圧の実量制契約では、当月を含む過去1年間の最大デマンド値で契約電力が決まるのが一般的です。一度ピークが出ると最長で1年間基本料金に影響するため、設備の起動順の調整やデマンド監視で再発を防ぐことが重要です。
原因調査にはどれくらいの期間がかかりますか?
請求書の比較は数日で進められることが多く、30分値データの分析を含めても数週間程度で傾向をつかめるケースが一般的です。設備別の点検は施設規模や設備数で変わるため、データで絞った時間帯の設備から優先すると期間を短縮できます。
この記事を読んだ方がよく検索する質問
原因がわかったら最初に何から取り組むべきですか?
消し忘れの防止や設定温度のルール統一など、投資を伴わない運用改善から始めるのがおすすめです。効果を翌月以降の請求書やデータで確かめながら、契約見直しや設備更新へ段階的に進めると、社内の合意も得やすくなります。
LED化や空調更新の投資が回収できるか不安です。
回収年数は機器単価・使用電力量・点灯時間などの条件で変わるため、自社の実データで試算することが大切です。調査で集めた点灯時間や設備一覧を使えば精度の高い試算ができ、補助金を活用できれば初期費用を抑えられる場合もあります。
専門家の無料省エネ診断を頼むと何がわかりますか?
請求書・設備一覧・図面をもとに、契約・運用・設備の3方向から電気代が高い原因と対策の優先順位を整理できます。社内調査で絞りきれなかった点も確認できるため、まずは手元の請求書を用意して気軽に相談してみてください。
参考文献
参考情報について:本記事の信頼性を担保するため、公的統計・学術論文・業界専門媒体を中心に、複数の一次情報源を参照しました。各出典は執筆時点で確認できる最新情報に基づいています。
- 住宅における電気機器の保有と消費に関する計量経済分析 (原題: An econometric analysis of residential electric appliance holdings and consumption)|JA Dubin, DL McFadden, 1984
- LED照明アプリケーションの実現 (原題: Realizing LED illumination lighting applications)|F Nguyen, B Terao, J Laski, 2005
この記事の監修者
味生 豊
aOn株式会社 代表取締役/照明士・照明コンサルタント/第一種電気工事士・電気工事施工管理技士
建設業の電気通信分野で西日本全域250件以上の電波対策工事に従事後、2015年にエネプラ.comを立ち上げ。法人向けLED照明工事の施工管理を年間30件以上担当する。相談に応えるため照明士・照明コンサルタントを取得し、施設照明の設計を専門とする。第一種電気工事士・二級電気工事施工管理技士として官公庁工事約30件を落札、主任技術者として現場を統括した。









