❖ZEHとは?
ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称であり、読み方は「ゼッチ」です。
外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギーにより、年間の一次エネルギーの消費量が実質ゼロ、又はマイナスとなる住宅を指します。
また、Nearly ZEH(ニアリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)と呼ばれるZEHを見据えた先進住宅も存在します。外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギーにより、年間の一次エネルギーの消費量をゼロに近づけた住宅です。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー対策課 ZEH普及に向けて これからの施策展開
一次エネルギーとは、ガスや電気のような直接使用するようなものではなく、石油や石炭、天然ガスなどの自然界から直接取れるものを指します。 (※一次エネルギーなどのエネルギーについて詳しくはコチラ)
エネルギー消費をゼロに近づけるためには、エネルギーを極力必要としないこと(断熱)、エネルギーを上手にやりくりすること(省エネ設備導入)、エネルギーを創ること(発電)、この3つの要因で実質ゼロを目指します。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー対策課 ZEH普及に向けて これからの施策展開
ちなみにZEHについてですが、すべての住宅が対象というわけではありません。
例えば集合住宅などで発電装置の設置が難しい場合や省エネ設備の導入が難しい場合もあります。
ですので、ZEHは新築の戸建住宅を対象としています。
そして、エネルギーマネジメントされた住宅をスマートハウスと呼ぶのです。
スマートハウス=ZEHではありませんが、ZEHを実現させるにはスマートハウスの要素が必要なのです。
❖ZEHを目指して
前述の通り、ZEHを実現するために大切なのは以下のポイントです。
①外皮の熱遮断とパッシブの活用
②設備の高効率化
③創エネ蓄エネ
④制御
ここでは上記4つのポイントについて簡単に説明します。
①外皮の熱遮断とパッシブの活用
外皮の熱遮断とは、外部からの熱の影響を受けにくくすると同時に、室内から熱が奪われる(熱が滞留する)のを防ぐことで余分な設備稼働を抑制し室内の環境を維持します。
例えば、夏場だと外部の熱の影響で室内が暑くなってしまわないように熱を遮断し、冬であれば暖房の熱を外部に逃さないようにすることでなるべく設備の稼働を抑えるのです。
そして、パッシブとは、自然のエネルギーを利用することで無駄なエネルギーの消費を抑えると言ったものです。
例えば、夏季は日差しの侵入を防ぐために遮蔽する機能を設け、冬は太陽のエネルギーを受け入れその熱を逃さないようにすることで無駄な設備の稼働を抑えます。他にも昼光を利用することで人工照明を点灯させないようにして消費電力の削減に寄与する事もできます。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー対策課 ZEH普及に向けて これからの施策展開
このように外部の影響、自然のエネルギーをうまく利用してやることでZEH化を促進することができるのです。
②設備の高効率化
既存設備を高効率な設備に改修することによって、更に消費エネルギーを削減できます。
例えばエアコンはAPF(Annual Performance Factor:年間エネルギー消費効率)が高いものを選ぶことで、
消費電力を約半分少なくすることができます。
また、蛍光灯をLED照明へ変更することで、種類にもよりますが7割も消費電力を削減できるものもあります。
(7割の削減は、消費電力全体ではなく、照明のみの消費電力です)
出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー対策課 ZEH普及に向けて これからの施策展開
③創エネ蓄エネ
これまでの2つは消費エネルギーを削減するための施策でしたが、ZEHを目指す、つまりエネルギー消費量を実質ゼロにするためにはエネルギーを創ることが必要不可欠です。
エネルギーを創るとは、例えば太陽光発電です。
一般的な家庭でのエネルギー消費の内訳では、約50%が電力です。ここをどうやって削減するのかが大きなポイントとなります。太陽光発電のように自宅で発電し自宅で使用する仕組みは、送電ロスや変換ロスなどの観点から見ても非常に有意義です。
そしてエネルギーを蓄積する蓄電池も重要です。
太陽光発電等で創り出した電力を蓄え、夜間にその電力を使用したり、雨模様の際に足りない発電量を補ったりと臨機応変に使い分けることができ、創り出したエネルギーをうまく使うことができるのです。
(※創エネと蓄エネに関して詳しくはコチラ)
出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー対策課 ZEH普及に向けて これからの施策展開
④制御
これまで紹介した3つのポイントだが、これらをうまく連携させ制御することも重要なポイントのひとつです。
ZEH化を目指すためには、アクティブとパッシブの両方がうまく活用できる関係性でなければダメで、
どちらかに偏った施策ではうまく連携できずに、せっかくZEHを目指して工夫したとしても効果を十分に発揮できないのです。
故に制御はZEH化を目指すためにとても重要な位置づけとされています。