業務用エアコンの選び方は素人には簡単ではありません。
家庭用のルームエアコンと違い業務用エアコンは部屋の広さだけで判断できないからです。業務用エアコンは店舗やオフィスなど部屋が広い場所で使用されます。例えば飲食店とオフィスで同じ広さの部屋でも使用するエアコンは違います。用途がちがうとエアコンの効き目も変わるため飲食店では能力(馬力)の高いエアコンを使う必要があります。
この能力を「馬力」と呼んでおり業務用エアコンを選ぶ目安として使われます。エアコンの馬力が大きいほど冷やす能力や温める能力は高くなります。
業務用エアコンは広さだけでなく設置環境と使用用途から選ぶことが重要となります。
最適な能力・形状のエアコンを選ばなければ、冷暖房効率が悪く電気代がかさみ、効きも悪くなります。
ここでは業務用エアコンの馬力の目安についてご紹介していきます。
業務用エアコン1馬力の冷暖房能力
業務用エアコンで使われる「馬力」とはエアコンの能力を表す単位として使用されます。
業務用エアコンの1馬力の能力は2.8kwで換算され、その能力は畳8畳分に相当します。しかしこの数値は冷暖房で統一された数値と考えるため、あくまでも目安として考えます。
たとえば一般事務所で1.5馬力のエアコンは部屋の広さ約25~28㎡が目安となります。同じ1.5馬力のエアコンでも飲食店では11~21㎡と小さくなります。部屋が小さくても飲食店のほうが馬力を強くする理由は効き目が悪くなってしまうためです。
業種・用途と広さから算出する適合能力の目安
業務用エアコンは部屋の広さ、用途によって馬力の違うエアコンを選定するための計算が必要です。一般商店、理美容院、飲食店舗、一般事務所を例に業務用エアコンの選び方を表の数値を例に比べてみます。
必要能力の馬力=部屋の広さ(㎡)×算出基準負荷
比較する部屋の広さは60㎡とします。
一般商店
一般商店とは日用雑貨や洋服、貴金属などの販売をしている店舗です。冷蔵のショーケースなど生鮮食品を置いている場合は除きます。
算出基準負荷冷房時 160 - 180W/㎡
25~28㎡ | 1.5馬力相当(P40形) |
28~31㎡ | 1.8馬力相当(P45形) |
31~35㎡ | 2馬力相当(P50形) |
35~39㎡ | 2.5馬力相当(P63形) |
44~50㎡ | 3馬力相当(P80形) |
62~70㎡ | 4馬力相当(P112形) |
78~88㎡ | 5馬力相当(P140形) |
89~100㎡ | 6馬力相当(P160形) |
例えば広さ60㎡(広さ)の場合で見てみましょう。
算出基準負荷は160-180(w/㎡)となりますので最大での負荷での計算した場合は下記の通りになります。
(計算式)
60㎡(広さ)×180(w/㎡)=10,800w(必要能力10.8kw)
10.8kw≒4馬力相当の機種を選定(11.2kw) ※冷房能力の1馬力=2.8kw
計算結果から表にある通り62~70㎡では4馬力相当になります。
ダイキンの4馬力P112形S-ラウンドフロー〈センシング〉タイプをご紹介します。
理美容院
理美容院での注意点はお客様席を考えることです。お客様は長時間同じ場所に座っているためエアコンからの風当りに気を遣う必要があります。
算出基準負荷冷房時 230 - 290W/㎡
エアコン容量を示す数値は冷房最大能力です。
14~17㎡ | 1.5馬力相当(P40形) |
16~20㎡ | 1.8馬力相当(P45形) |
17~22㎡ | 2馬力相当(P50形) |
19~24㎡ | 2.3馬力相当(P56形) |
22~27㎡ | 2.5馬力相当(P63形) |
28~35㎡ | 3馬力相当(P80形) |
39~49㎡ | 4馬力相当(P112形) |
48~61㎡ | 5馬力相当(P140形) |
55~70㎡ | 6馬力相当(P160形) |
(計算式)
算出基準負荷は230-290w/㎡なので最大値290w/㎡で計算します。
60㎡(広さ)×290(w/㎡)=17,400w(必要能力17.4kw)
17.4kw≒6馬力相当の機種を選定(16.8kw) ※冷房能力の1馬力=2.8kw
計算結果から表にある通り6馬力相当になるためP160 形が選定の目安となります。
ダイキンの6馬力(P160形)天井埋込カセット形S-ラウンドフロー〈センシング〉タイプをご紹介します。
飲食店
焼肉、もんじゃ焼き、お好み焼きなどお客様が個々で調理する店舗では調理の熱が客席に影響しやすいので能力は大きめのエアコンにする必要があります。
算出基準負荷冷房時 190 - 370W/㎡
エアコン容量を示す数値は冷房最大能力です。
11~21㎡ | 1.5馬力相当(P40形) |
12~24㎡ | 1.8馬力相当(P45形) |
14~26㎡ | 2馬力相当(P50形) |
15~29㎡ | 2.3馬力相当(P56形) |
17~33㎡ | 2.5馬力相当(P63形) |
22~42㎡ | 3馬力相当(P80形) |
30~59㎡ | 4馬力相当(P112形) |
38~74㎡ | 5馬力相当(P140形) |
43~84㎡ | 6馬力相当(P160形) |
(計算式)
算出基準負荷は190-370w/㎡なので最大値370w/㎡で計算します。
60㎡(広さ)×370(w/㎡)=22,200w(必要能力22.2kw)
22.2kw≒7馬力相当の機種を選定(19.6kw) ※冷房能力の1馬力=2.8kw
計算結果は7馬力相当ですがダイキンではP160形のモデルが最上位なので表の6馬力相当を目安とします。
ダイキンの6馬力(P160形)店舗向けのビルトインHiタイプをご紹介します。
一般事務所
算出基準負荷冷房時 105 - 230W/㎡
エアコン容量を示す数値は冷房最大能力です。
17~38㎡ | 1.5馬力相当(P40形) |
20~43㎡ | 1.8馬力相当(P45形) |
22~48㎡ | 2馬力相当(P50形) |
24~53㎡ | 2.3馬力相当(P56形) |
27~60㎡ | 2.5馬力相当(P63形) |
35~76㎡ | 3馬力相当(P80形) |
49~107㎡ | 4馬力相当(P112形) |
61~133㎡ | 5馬力相当(P140形) |
70~152㎡ | 6馬力相当(P160形) |
出典:ダイキン https://daikinproshop.jp/useful/select/1101_4.html
(計算式)
算出基準負荷は105-230w/㎡なので最大値230/㎡で計算します。
60㎡(広さ)×230(w/㎡)=13.800w(必要能力13.8kw)
13.8kw≒5馬力相当の機種を選定(14kw) ※冷房能力の1馬力=2.8kw
計算結果は4~5馬力相当でなのでP112形かP160形を選定の目安とします。
ダイキンの4馬力(P112形)事務所けのS-ラウンドフロー〈センシング〉タイプをご紹介します。