
原因はどこにあるのでしょうか。
電気代が急に高くなる理由は、1kWhあたりの単価の上昇と施設で使う電力量やピーク電力の増加のどちらか、あるいは両方に行き着きます。
単価側では、経済産業省が定める再エネ賦課金が2023年度の1.40円/kWhから2025年度には3.98円/kWhへ上がりました。
使用側では、高圧の実量制契約で記録したデマンド値がその後12か月の契約電力として残ります。
請求書で原因の当たりをつけ、施設で確かめる点検項目まで順に整理します。
📌 この記事でわかること
- 1
電気代が急に高くなる原因は、1kWhあたりの単価の上昇と、施設で使う電力量やピーク電力の増加のどちらか、または両方です。
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電気代の急増に気づいたときは、請求書の基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金を前年同月の明細と並べ、増えた項目を特定します。
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再エネ賦課金の単価は経済産業省が年度ごとに定めます。2023年度の1.40円/kWhから2025年度は3.98円/kWhへ上がり、毎年5月分の料金から切り替わります。
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燃料費調整額は輸入燃料価格の3か月平均を3〜5か月後の電気料金に反映する仕組みです。燃料価格の変動から遅れて、ある月に請求額が急に上がって見えます。
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高圧の実量制契約では、30分ごとの平均使用電力の最大値であるデマンド値が、当月を含む過去12か月の契約電力として基本料金に反映されます。
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📑 この記事の内容
電気代が急に高くなったときにまず確認したい請求書の内訳🔗

定義:法人の電気料金の内訳とは、基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金で構成される請求額の明細のことです。
結論:電気代の急増に気づいたら、内訳の各項目を前年同月の明細と並べて増えた項目を特定するのが最初の確認です。
- 要点1:高圧の実量制契約の基本料金は、過去12か月の最大デマンド値を契約電力として計算されます。
- 要点2:電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金は、使用電力量に単価を掛けて計算されます。
- 要点3:電気代の増加が季節によるものかを見極めるには、前月より前年同月との比較が適しています。
最初に確認したいのは、請求額の合計ではなく内訳のどの項目が増えたかという点です。合計額だけを眺めていても、値上げによるものか使い方の変化によるものかは判断がつきません。法人の請求書には基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金が並んでいます。項目ごとの増減を拾えば、調べる方向はおのずと定まります。
基本料金は、契約電力(kW)に単価を掛けて計算します。高圧で契約電力500kW未満の施設に適用される実量制では、30分ごとの平均使用電力の最大値であるデマンド値を毎月計測します。そして当月を含む過去12か月の最大値が契約電力になります。電力量料金は、使った電力量(kWh)に単価を掛けたものです。燃料費調整額と再エネ賦課金も、kWhあたりの単価で加算される仕組みです。
たとえば前年同月と比べて使用電力量がほぼ同じなら、増額の主因は単価側にあると考えられます。逆に使用量の欄が大きく伸びていれば、施設の稼働や設備の状態に目を向ける段階です。契約電力の欄が上がっている場合は、過去12か月のどこかでデマンド値が更新された可能性があります。請求書の項目はそれぞれ別の原因を指し示しているため、増えた項目から点検先を決めるのが近道です。
増えた項目別に見る原因と次の確認先
| 増えた項目 | 考えられる主な原因 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 基本料金(契約電力) | デマンド値の更新 | 最大値を記録した日時と稼働状況 |
| 使用電力量(kWh) | 空調負荷・稼働時間・設備の変化 | 季節要因と施設側の変化 |
| 燃料費調整単価 | 輸入燃料価格・為替の変動 | 電力会社の公表単価 |
| 再エネ賦課金単価 | 年度ごとの単価改定 | 経済産業省の公表単価 |
注意したいのは、前月との比較だけで急増と判断してしまうことです。夏や冬は空調の負荷が増えるため、季節の変わり目には前月比で大きく伸びて見えます。季節の影響を除いて判断するなら、前年同月の明細と並べるのが適しています。検針期間の日数が月によって異なる点も、見落としやすいところです。
💡 ポイント
比較用の明細は、前年同月と前月の2つを手元に用意してください。検針期間の日数も控えておくと、日数の違いによる増減を切り分けやすくなります。
内訳を並べて増えた項目が見えたら、次はその背景にある原因を確かめます。続くセクションでは、単価が動く理由を制度面から整理します。なお請求明細の読み方そのものは、項目ごとに別の記事で詳しく解説しています。
関連記事 電気代が倍になった原因|法人施設で疑うべき点と請求明細の確認法
ポイントは、合計額ではなく増えた項目を見ることです。前年同月の明細と並べるだけで、単価と使用量のどちらを調べるべきかが見えてきますね。
電気代が急に高くなった原因①料金単価・制度面の変化🔗

定義:料金単価・制度面の変化とは、施設の使用量と関係なく1kWhあたりの価格や加算額が変わることです。
結論:使用量が前年並みで請求額が増えた場合は、3〜5か月前の燃料価格を反映する燃料費調整単価と、毎年5月分から改定される再エネ賦課金単価を確認するのが有効です。
- 要点1:燃料費調整額は、輸入燃料価格の3か月平均を3〜5か月後の電気料金に反映する仕組みです。
- 要点2:再エネ賦課金の単価は経済産業省が年度ごとに定め、2025年度は1kWhあたり3.98円です。
- 要点3:政府の電気料金負担軽減策が終わった月は、補助による値引きがなくなり請求額が増えます。
使用量が前年並みなのに請求額だけが増えているなら、原因は単価側の変化にある可能性が高いと言えます。単価を動かす要因は一つではありません。燃料価格・国の制度・電力会社の料金設定がそれぞれ影響します。単価の値上がり自体は止められなくても、公表単価と電力会社からの通知を追えば請求額の変動はあらかじめ見込めます。
燃料費調整額は、火力発電に使う原油・LNG(液化天然ガス)・石炭の輸入価格の変動を電気料金に反映させる仕組みです。貿易統計にもとづく3か月平均の燃料価格が、3〜5か月後の料金単価に反映されます。燃料価格や為替が動いてから請求書に表れるまで時間差があるため、ある月に急に上がったように見えるのです。発電燃料の大半を輸入に頼る構造上、円安やLNG価格の上昇はこの単価を通じて請求額に波及します。
再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)にかかる費用を電気の利用者が負担する仕組みです。単価は経済産業省が年度ごとに定めており、2023年度の1.40円/kWhから2024年度は3.49円/kWh、2025年度は3.98円/kWhへ改定されました。仮に月30,000kWhを使う施設なら、1.40円の年と3.98円の年では月の賦課金に77,400円の差が生じる計算です。単価は毎年5月分の料金から切り替わります。
(出典:エネルギー価格高騰が家計に及ぼす影響の緩和政策に関する一考察|小杉隆信, 2025)
再エネ賦課金単価の推移と負担差
| 要因 | 請求書での表れ方 | 変動のタイミング | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 燃料費調整額 | 燃料費調整単価の上昇 | 毎月(3〜5か月の時間差) | 電力会社の公表単価 |
| 再エネ賦課金 | 賦課金単価の上昇 | 年1回(5月分から) | 経済産業省の公表 |
| 負担軽減策の終了 | 値引き額の消失 | 支援期間の終了月 | 資源エネルギー庁の公式サイト |
| 料金改定・割引終了 | 基本料金・電力量料金単価の変更 | 改定時・契約更新時 | 契約書・電力会社の通知 |
| 容量拠出金 | 単価への上乗せ | 2024年度以降 | 電力会社の料金説明 |
見落としやすいのが、政府による負担軽減策の終了です。電気・ガス料金の負担軽減策は、これまで期間を区切って実施と終了を繰り返してきました。補助のあった月となくなった月を並べると、使用量が同じでも請求額に差が出ます。支援の有無や値引き単価は時期によって異なるため、最新情報は資源エネルギー庁の公式サイトで確認してください。
(出典:電力補助金の家計への影響に関する一考察|Naoko Hamashima, 2026)
契約内容の変化も確かめておきたい点です。契約時に適用された割引や特別単価は、期間が終わると通常単価に戻ります。2024年度からは容量市場の容量拠出金の負担が始まり、その費用を単価に上乗せする電力会社もあります。市場価格に連動するプランでは、卸電力の価格が高騰した月に単価が大きく動きます。契約書と通知を見直し、該当する変更がないか照らし合わせることが判断の基準になります。
📝 補足
単価側の要因は施設の努力だけでは抑えられません。ただし使用量やデマンド値を下げれば、上がった単価が掛かる量そのものを小さくできます。
単価の上昇は制度や市場の動きに連動しているため、原因を知れば過度に不安を抱く必要はありません。一方で単価だけでは説明できない増加分があれば、施設の使い方に目を移す段階です。法人施設で電気代が高くなる原因の全体像は、以下の記事にまとめています。
ここ大事なんですけど、燃料費調整額は数か月遅れで請求書に表れます。急に上がったように見えても、実は以前の燃料価格の影響なんですよ。
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➤無料で見積り・相談する電気代が急に高くなった原因②施設の使用量・設備面の変化🔗

定義:施設の使用量・設備面の変化とは、稼働状況や設備の状態が変わって電力量やピーク電力が増えることです。
結論:単価に変化がなく請求額が増えた場合は、空調負荷・稼働時間・設備の劣化・デマンド値の更新を確認するのが有効です。
- 要点1:夏季と冬季は業務用空調の負荷が増え、施設の使用電力量が増える傾向があります。
- 要点2:実量制の高圧契約では、1回のデマンド値更新が以後12か月の基本料金に影響します。
- 要点3:空調機や照明器具は経年劣化で効率が下がり、同じ運転でも消費電力が増えることがあります。
単価に目立った変化がなければ、施設の中で起きた変化を疑う段階です。見落とされやすいのは、増えるのが使用電力量だけとは限らない点にあります。ピーク時の電力が上がると、使用量がそれほど増えていなくても基本料金が上がります。請求額の増え方によって、点検すべき場所が変わってきます。
具体的な数字で確かめてみます。仮に契約電力100kWの施設で、猛暑日の午後に空調と生産設備の運転が重なりデマンド値が120kWを記録したとします。基本料金の単価を1kWあたり1,800円と仮定すると、月の基本料金は180,000円から216,000円へ増えます。差額の月36,000円が12か月続けば、年間で432,000円です。単価は電力会社と契約で異なり、力率による割引なども考慮していない試算です。デマンド値は一度更新されると翌月以降も契約電力として残るため、ピークが生じた日時と稼働状況を突き止めることが欠かせません。
| 変化の種類 | 増える項目 | 主な例 |
|---|---|---|
| 季節要因 | 使用電力量・デマンド値 | 夏季の冷房・冬季の暖房負荷の増加 |
| 稼働時間の変化 | 使用電力量 | 営業時間の延長・シフト変更・人員増 |
| 設備の追加・レイアウト変更 | 使用電力量・デマンド値 | 生産設備やサーバー機器の増設 |
| 経年劣化 | 使用電力量 | フィルターの目詰まり・旧型照明の残存 |
| 一時的なピーク | デマンド値 | 始業時の一斉起動・設備の同時運転 |
空調の影響も見逃せません。業務用エアコンの省エネ提案を手がけるようになったことをきっかけに気づいたのは、電気代の上昇を照明だけの問題と捉えると原因を取り逃がしやすいという点です。冷暖房の負荷は外気温によって大きく変わり、1月や2月は暖房の運転時間が延びて使用電力量が増える傾向があります。空調機や照明器具は経年劣化でも効率が下がり、同じ運転で消費電力が増えることがあります。
もう一つ確かめたいのが、契約内容と施設の使い方のずれです。夜間の単価を低く設定した時間帯別のプランを選んだあとで日中の稼働が増えた場合など、契約時の前提と現在の使用実態が合わなくなっていることがあります。営業時間の延長や生産設備の増設、レイアウト変更による空調区画の拡大も使用量を押し上げます。変化のあった時期と請求額が増え始めた月を照らし合わせてください。
⚠️ 注意
デマンド値が更新された原因を特定しないまま省エネ設備を入れても、契約電力はすぐには下がりません。ピークを生んだ運転を先に見直してください。
使用量側の変化は、自社の記録と現場を確かめれば手がかりがつかめます。迷われるのも当然ですが、点検する場所はある程度決まっています。続くセクションでは、担当者が自ら確認できる項目を書類と設備に分けてチェックリストの形で整理します。
補足すると、デマンド値は一度の同時運転で更新され、その後12か月の基本料金に残ります。始業時の一斉起動は真っ先に疑ってよいと思います。
法人施設で電気代が急増したときの点検項目チェックリスト🔗

定義:点検項目チェックリストとは、電気代が急増したときに施設担当者が自ら確認できる書類と設備の一覧のことです。
結論:電気代急増の点検は請求書とデマンド記録から始め、空調・照明・夜間休日の使用状況へ広げるのが効率的です。
- 要点1:デマンド値が更新された月を特定すると、ピークを生んだ稼働状況を絞り込めます。
- 要点2:空調設備はフィルター・室外機周辺・設定温度・運転時間の4点を確認します。
- 要点3:漏電や設備異常が疑われる場合は、電気工事士などの専門家に点検を依頼する必要があります。
点検の出発点は、現場ではなく書類です。請求書と、電力会社が提供している場合は30分ごとの使用量の記録を先に確かめておきます。そうすれば、どの設備をどの時間帯に見ればよいかが絞れます。そのうえで空調・照明・夜間の使用状況へと範囲を広げると、限られた時間でも要点を押さえた点検が進められます。
電気代急増時の点検チェックリスト
- 請求書・検針票:使用量・燃料費調整単価・再エネ賦課金単価・契約電力を前年同月と当月の明細で比べる
- デマンド値の更新月:最大値を記録した日時と時間帯の稼働状況を30分値の記録・業務日報で確かめる
- 空調設備:フィルターの汚れ・室外機周辺の障害物・設定温度・運転時間を室内機・室外機・運転スケジュールで点検する
- 照明設備:点灯時間・不要エリアの点灯・旧型照明の残存を各フロア・倉庫・共用部で確認する
- 夜間・休日の電力:待機電力・消し忘れ・不要な設備の通電を夜間・休日の使用量記録で確認する
デマンド値の更新月が分かったら、その日の業務日報や出勤記録と照らし合わせてください。始業時に空調と設備を一斉に起動した日や、繁忙期の残業が重なった日が浮かび上がることがあります。空調ではフィルターの目詰まりや室外機の吹出口をふさぐ置き物が熱交換を妨げ、余分な電力消費につながります。設定温度と運転時間が季節に合っているかも確認しておきたい点です。
照明は、点灯時間と灯数を掛けた分だけ電気代に表れます。蛍光灯の生産終了が相次いで発表された2023年以降、使える段階からLED化を計画する相談が増えてきました。点検では、倉庫や更衣室など点灯の必要が薄い場所でつきっぱなしになっていないか、旧型の蛍光灯や水銀灯が残っていないかを確かめてください。
夜間・休日の使用量も重要な手がかりになります。夜間や休日の使用量は施設の電力の「底」にあたり、ここが下がりきらない施設は無人の時間帯にも電気を使い続けています。待機電力や消し忘れ、通電したままの設備が積み重なると、この値は少しずつ上がっていきます。平日の日中と比べて下がり方が小さければ、無人の時間帯に動いている設備を洗い出してください。
🔴 重要
使用量の増加に心当たりがなく、夜間の値も高止まりしている場合は漏電や設備異常の可能性があります。分電盤や配線には触れず、電気工事士などの専門家に相談してください。
点検で設備の異常を見つけても、分電盤のカバーを外したり配線に触れたりする作業は控えてください。電気工事の多くは電気工事士の資格が必要な作業で、高圧の受電設備は電気主任技術者による保安管理の対象です。担当者の役割は、異常の兆候を見つけて専門家へつなぐところまでと考えておくと迷いません。漏電を疑う場合の点検ポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
よく聞かれるんですが、夜間・休日の使用量は異常を見つける大きな手がかりです。下がりきらない時間帯があれば、記録と現場を照らし合わせてみてください。
電気代の今後の見通しと法人施設で検討できる省エネ対策🔗

定義:法人施設の省エネ対策とは、設備の更新やピーク電力の管理で使用電力量と契約電力を抑える取り組みのことです。
結論:電気料金の単価変動が続く前提に立つと、単価に左右されにくい使用量とデマンド値の削減から検討するのが現実的です。
- 要点1:LED照明や高効率な業務用エアコンへの更新は、使用電力量そのものを減らす対策です。
- 要点2:デマンド管理は、30分ごとの平均使用電力の最大値であるデマンド値を抑え、基本料金の上昇を防ぐ対策です。
- 要点3:省エネ設備の補助金は採択が保証されないため、最新情報を公式サイトで確認する必要があります。
電気料金の単価は、燃料価格・為替・制度の改定によって今後も上下すると考えられます。燃料を輸入に頼る構造があり、再エネ賦課金や容量拠出金のように制度で決まる費用もある以上、単価の先行きを一社で読み切ることはできません。化石燃料価格が2倍になる状況を想定して日本経済への影響を試算した研究も公表されています。だからこそ、単価がいくらになっても効果が残る使用量とデマンド値の削減に目を向ける意味があります。
(出典:ホルムズ海峡危機の影響とエネルギー補助金政策の効果|細江宣裕, 2026)
省エネ対策ごとの効果と向いている施設
| 対策 | 抑えられるもの | 向いている施設の状況 | 着手時の確認事項 |
|---|---|---|---|
| LED照明への更新 | 使用電力量 | 蛍光灯・水銀灯が残り点灯時間が長い | 灯数・点灯時間・器具の劣化 |
| 高効率な業務用エアコンへの更新 | 使用電力量・デマンド値 | 空調機の使用年数が長く効きが落ちている | 能力選定・運転スケジュール |
| デマンド管理 | デマンド値 | 始業時や繁忙期にピークが集中する | 30分値の記録・ピーク時刻 |
| 蓄電池 | デマンド値(停電対策も兼ねる) | ピークの時間帯が限られ停電への備えも必要 | 容量・出力・設置場所 |
| 契約プランの見直し | 単価・基本料金 | 稼働時間帯や使用量が契約時から変わった | 現行契約の単価と使用実態 |
どこから着手するかは施設の状況で変わります。点灯時間が長く旧型の器具が残る施設では、LED化が手をつけやすい対策です。空調機が古く効きが落ちている場合は、高効率機への更新と運転スケジュールの見直しをあわせて検討してください。メーカーを横断して製品を比較してきて分かったのは、同じ用途でも天井高や稼働時間によって適した機種が変わるという点です。単価の先行きが読めないときほど、施設側で抑えられる使用量とデマンド値に投資の軸を置く考え方が有効です。
契約プランの見直しも選択肢の一つになります。稼働時間帯が変わった施設では、現行プランの単価体系が使用実態に合っているかを確かめる余地があります。ピーク対策としての蓄電池は、電気を貯めておき使用が集中する時間帯に放電する設備で、停電時の備えにも使えます。ただし停電時に使える時間は機種と負荷によって異なります。
💡 ポイント
設備の更新を一度に進める必要はありません。デマンド値と点灯時間の記録をもとに、効果を見込める範囲から段階的に進める方法もあります。
更新費用の負担を抑える手段として、国や自治体の省エネ補助金があります。現時点では照明や空調の更新を対象とする制度もありますが、公募期間や要件は年度ごとに変わり、採択も保証されません。最新情報は各制度の公式サイトで確認してください。エネルギー使用量の大きい事業者には省エネ法の報告義務などが関わるため、対応の要否は専門家に相談すると安心です。
エネプラでは、メーカーに縛られない商品選定と西日本全域250件以上の施工管理実績をもとに、照明・空調・蓄電池の更新から補助金申請のサポート、施工後の保守までワンストップで対応しています。請求書の数字から改善の当たりをつけたい場合は、無料省エネ診断をご利用ください。蓄電池を停電対策と組み合わせて検討する際の基本は、以下の記事で解説しています。
関連記事 蓄電池防災とは?法人BCPで備える停電対策・容量・選び方の基本
電気代を含む固定費全体の見直し手順は、以下の記事にまとめています。
意外と見落としがちですが、単価が下がるのを待つより、使用量とデマンド値を抑える対策から始めたほうが、結果的に負担を減らせるかもしれません。
請求書から始める点検の順番
電気代の急増には、請求書の増えた項目から単価と使用量のどちらが原因かを切り分け、施設を点検したうえで、単価に左右されにくい使用量とデマンド値の削減へ進むことが有効です。
- まず前年同月と当月の請求書を並べ、単価・使用電力量・契約電力のうち増えた項目を特定してください。
- 契約電力が上がっていれば、デマンド値を更新した日時を30分値の記録と業務日報で確かめ、始業時の一斉起動などのピークを見直してください。
- 夜間・休日の使用量が高止まりしている場合は、分電盤や配線に触れず、電気工事士などの専門家に点検を依頼してください。
よくある質問
よくある質問について:実務で直面しやすい疑問や判断に迷いやすいポイントを中心に、読者から多く寄せられる質問を観点別に整理しました。本文と併せてチェックリストとして活用してください。
検針期間の日数の違いで電気代はどのくらい変わりますか?
電力量料金や再エネ賦課金は使用電力量(kWh)に比例するため、検針期間が30日と33日なら同じ使い方でも使用量は約1割増えます。比較するときは請求額や使用量を検針日数で割り、1日あたりの値にそろえると、日数による見かけの増加を切り分けられます。
デマンド値が更新された月はどこで確認できますか?
高圧契約の請求書や検針票には、当月の最大デマンド値と契約電力が記載されています。契約電力が上がった月を過去12か月分の明細から探し、電力会社がWebで提供する30分値の記録があれば、最大値を記録した日時まで特定できます。
容量拠出金は請求書のどこに表れますか?
容量拠出金は2024年度から小売電気事業者が負担している費用で、項目として明記する会社もあれば、電力量料金の単価や独自の調整額に含める会社もあります。表れ方は契約先によって異なるため、料金説明や通知書で上乗せの有無を確認してください。
この記事を読んだ方がよく検索する質問
電気代の急増を社内で説明するにはどう資料をまとめればよいですか?
前年同月と当月の明細を並べ、基本料金・使用電力量・燃料費調整単価・再エネ賦課金単価の増減を表にすると説明しやすくなります。単価要因と使用量要因に分けて金額を示せば、施設側で対策できる範囲が明確になり、次の打ち手の合意も得やすくなります。
省エネ診断を依頼するとき事前に用意しておくものはありますか?
直近12か月分の請求書、電力会社の30分値の記録、照明や空調の台数・使用年数がわかる資料があると診断がスムーズです。すべてそろっていなくても構いません。手元の請求書1枚から相談を始め、必要な情報を段階的に集めていく進め方もできます。
LED化や空調更新の効果はどれくらいで電気代に表れますか?
使用電力量の削減は工事完了後の検針から請求書に反映されます。一方、実量制の契約電力は過去12か月の最大値で決まるため、デマンド値の低下が基本料金に表れるまで最長で約1年かかります。更新前後の明細を残し、月ごとに効果を確認していきましょう。
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このテーマは複数の記事に分けて扱っています。気になるところから読み進めてください。
→ 電気代が高い理由|法人施設に多い共通パターンと原因の切り分け方
参考文献
参考情報について:本記事の信頼性を担保するため、公的統計・学術論文・業界専門媒体を中心に、複数の一次情報源を参照しました。各出典は執筆時点で確認できる最新情報に基づいています。
- エネルギー価格高騰が家計に及ぼす影響の緩和政策に関する一考察|小杉隆信, 2025
- 電力補助金の家計への影響に関する一考察|Naoko Hamashima, 2026
- ホルムズ海峡危機の影響とエネルギー補助金政策の効果|細江宣裕, 2026
- 『燃料費調整単価固定料金』制度の設計|鈴木喜久, 2014
- 複数の空間スケールにおける時間単位の暖房・冷房需要のグローバルモデル (原題: A global model of hourly space heating and cooling demand at multiple spatial scales)|I Staffell他, 2023
この記事の監修者

味生 豊
aOn株式会社 代表取締役/照明士・照明コンサルタント/第一種電気工事士・電気工事施工管理技士
建設業の電気通信分野で西日本全域250件以上の電波対策工事に従事後、2015年にエネプラを立ち上げ。法人向けLED照明工事の施工管理を年間30件以上担当する。相談に応えるため照明士・照明コンサルタントを取得し、施設照明の設計を専門とする。第一種電気工事士・二級電気工事施工管理技士として官公庁工事約30件を落札、主任技術者として現場を統括した。











