
使用量が前年同月と同じで請求額が2倍なら、単価がほぼ2倍に上がった計算です。
原因は「単価の上昇」「使用量の増加」「設備の老朽化」「漏電・故障・検針や契約の誤り」の4系統に分かれます。
このうち異常系は、手を打つまで翌月以降も同じ水準の請求が続きます。
請求書が届いた段階で確認を始めることが大切です。
以下では、法人施設の担当者が請求明細を手がかりに原因を絞り込む順番を整理しました。
📌 この記事でわかること
- 1
電気代が倍になった原因を特定するには、請求明細の使用量kWhと請求額を前年同月と比べ、単価と使用量のどちらが動いたかを切り分けることから始めます。
詳しく見る → - 2
使用量が前年並みなのに電気代が倍増した場合は、燃料費調整単価・再エネ賦課金単価の上昇、政府の負担軽減策の終了、市場価格連動型プランなど単価や契約の変化が疑われます。
詳しく見る → - 3
電気の使用量そのものが増えている場合は、冬の暖房・給湯や夏の冷房といった季節要因、営業時間や人員の増加、高圧契約でのデマンド上昇の3点を順に確認します。
詳しく見る → - 4
設備の老朽化は、業務用エアコンのフィルター目詰まりや冷凍冷蔵設備のパッキン劣化など、機器の効率低下の積み重ねによって電気の使用量を押し上げます。
詳しく見る → - 5
電気代の異常が疑われる場合は、請求期間の日数差や推定検針、契約電力の変更を電力会社に確認し、漏電などの設備点検は電気工事会社や電気保安の専門家に依頼します。
詳しく見る →
📑 この記事の内容
1. 明細で単価と使用量を切り分ける
2. 設備と異常の可能性を探る
電気代が倍になったら最初に確認すべきこと|「単価」と「使用量」の切り分け🔗

定義:電気代の倍増とは、請求額が比較対象の月の約2倍に増え、使用量または単価の変化が原因となっている状態のことです。
結論:電気代が倍になった原因の特定は、請求明細の使用量kWhを前年同月と比べることから始めるのが効率的です。
- 要点1:法人の電気料金は基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金の合計で構成されます。
- 要点2:電気代の比較対象を前年同月にすると、冷暖房など季節の影響をならして判断できます。
- 要点3:使用量が前年並みで請求額だけが倍増している場合は、単価や契約条件の変化が疑われます。
先に確かめたいのは、増えたのが「使った量」なのか「1kWhあたりの値段」なのかという点です。電気代の請求額は、おおまかに使用量×単価に基本料金を足した形で決まります。どちらが動いたかによって、疑うべき原因も相談先もまったく変わります。原因が単価側にあるのに節電を呼びかけても、請求額には効果が見えにくいままです。最初に明細を数分確認するだけで、その後の対応の空回りを防げます。
法人の電気料金は一般に、基本料金+電力量料金±燃料費調整額+再エネ賦課金という構造です。基本料金は契約電力に応じて毎月かかる固定部分を指します。電力量料金は、使ったkWhに単価を掛けた部分にあたります。燃料費調整額は発電燃料の価格変動を料金へ反映する仕組みで、月ごとにプラスにもマイナスにも動きます。再エネ賦課金は再生可能エネルギーの買取費用を利用者が負担するもので、使用量に比例して加算されます。
請求明細の5項目と倍増時のチェックポイント
| 明細の項目 | 中身 | 倍増時に見るポイント |
|---|---|---|
| 使用量(kWh) | その月に使った電力量 | 前年同月と比べて増えているか |
| 基本料金 | 契約電力に応じた固定部分 | 契約電力の数値が変わっていないか |
| 電力量料金 | 使用量×電力量単価 | 単価そのものが改定されていないか |
| 燃料費調整額 | 燃料価格の変動分 | 単価がプラス方向に大きく振れていないか |
| 再エネ賦課金 | 再エネ買取費用の負担分 | 年度の切り替えで単価が変わっていないか |
たとえば前年同月の請求額が20万円で、今月が40万円だったとします(仮の数値)。使用量が前年とほぼ同じなら、1kWhあたりの単価が倍近くに上がった計算です。逆に単価がほぼ同じなら、使用量そのものが2倍に増えています。先月比ではなく前年同月比で比べるのは、冬の暖房や夏の冷房といった季節の影響を同じ条件でならすためです。先月比だけで見ると、秋から冬にかけての自然な増加を異常と取り違えることがあります。
請求額が倍になったときの試算例(仮の数値)
💡 ポイント
使用量と請求額の増え方がほぼ同じなら使用量側、使用量の伸びより請求額の伸びが大きければ単価側に原因があると見当をつけられます。
西日本全域で250件以上の施工現場を見てきて言えるのは、同じ業種でも電気の使われ方は施設ごとに大きく違うという点です。複数拠点や複数契約をお持ちの場合は、合算の請求額だけで判断せず、契約ごとに使用量と請求額を並べてください。1拠点だけが倍増しているなら、原因はその拠点の設備や運用にある可能性が高まります。全拠点が一様に上がっているなら、単価や契約条件の変化が疑われます。
最初の作業として、前年同月の明細を1枚用意し、使用量と請求額の2つの数字を並べてみてください。使用量が変わっていなければ次の章の単価・契約の確認へ、使用量が増えていればその次の章へ進む流れになります。両方が増えている場合は、どちらの確認も欠かせません。
ポイントは、節電を呼びかける前に、明細で使用量と単価のどちらが動いたかを見極めることですね。前年同月の1枚が判断の出発点になります。
使用量が変わらないのに電気代が上がる原因|料金単価・契約内容の変化🔗

定義:電気代の単価要因とは、使用量が同じでも1kWhあたりの料金が上がり、請求額が増える状態のことです。
結論:単価要因による電気代の上昇は施設内の運用では止めにくいため、明細の単価項目と契約条件の確認が先決です。
- 要点1:燃料費調整額は燃料価格の変動を反映し、毎月プラスにもマイナスにも動きます。
- 要点2:政府の電気料金支援策が終了した月は、使い方が同じでも請求額が上がったように見えます。
- 要点3:市場価格連動型プランでは、卸電力市場の価格次第で電力量単価が大きく変わります。
使用量が前年並みなのに請求額が大きく増えているなら、確認の焦点は単価と契約内容に絞られます。ここでのゴールは、どの項目の単価がいつから上がったのかを明細の数字で突き止めることです。単価の上昇は施設の中の努力では止められないものが多く、節電を強めても請求額が下がらない理由もここにあります。手順は次の3段階で進めると迷いにくくなります。
Step1 燃料費調整単価と再エネ賦課金単価を前年と比べる
最初に見るのは、明細に記載された燃料費調整単価と再エネ賦課金単価です。燃料費調整額は、発電に使う燃料の輸入価格などの変動を、数か月遅れで料金に反映する仕組みです。単価は毎月改定され、前年と比べると大きな差が出ている場合があります。再エネ賦課金の単価は国が年度単位で定めているため、年度をまたいだ比較では切り替えの影響も考慮してください。
Step2 支援策の終了や料金改定の時期を確認する
政府による電気料金の負担軽減策が実施されていた期間は、明細上で単価から一定額が差し引かれていました。この支援が縮小・終了した月は、使い方が同じでも請求額が上がったように見えます。電力会社による料金メニューの改定や、契約先の切り替えに伴う単価の変化も同じく確認したい点です。改定のお知らせは郵送やWeb明細の通知欄で届いていることもあるため、見落としがないか確かめてください。
Step3 契約プランの種類を確かめる
契約プランが市場価格連動型かどうかも重要な確認点です。市場価格連動型とは、卸電力取引所の価格に応じて電力量単価が変わるプランを指します。需給がひっ迫した月には、単価が急上昇する場合があります。使用量が変わらないまま請求額が倍近くまで跳ね上がったケースでは、まずこの契約形態を疑ってください。契約書や約款の料金欄に、市場価格や調整項目の記載があるかで判別できます。
⚠️ 注意
電力会社を切り替えた直後は、旧契約の最終請求と新契約の初回請求が同じ月に届くことがあります。合算して倍増と誤認しないよう、請求期間を確認してください。
単価の中身をもう一段掘り下げると、電気料金には送配電網の利用料である託送料金も含まれています。託送料金は利用者が毎月支払う電気料金の一部で、2024年4月からは発電事業者も一部を負担する仕組みに変わりました。こうした制度面の変化は明細の項目名に表れにくいため、内訳が分からなければ電力会社へ問い合わせるのも一つの方法です。節電しても電気代が下がらないと感じるときは、使用量の減少分を単価の上昇分が打ち消していないかを確認してください。
(出典:電気料金の会計学的基礎について|金森絵里, 2025)
単価・契約内容の確認チェックリスト
- 燃料費調整単価を前年同月の明細と比べた
- 再エネ賦課金単価の年度切り替えを確認した
- 電気料金の負担軽減策が縮小・終了した時期を確認した
- 料金メニュー改定のお知らせ(郵送・Web明細)を確認した
- 契約プランが市場価格連動型かどうかを契約書で確認した
- 電力会社の切り替え直後に請求期間が重なっていないか確認した
単価要因と判断できた場合、対策の中心は契約内容の見直しと、使用量そのものを抑える設備面の取り組みになります。単価は外部要因で動くため、自社で手を打てる使用量側の対策と組み合わせて考えると判断がぶれにくくなります。エネルギーを起点にした固定費全体の見直し方は、以下の記事で整理しています。
ここ大事なんですけど、単価要因は施設内の努力では止めにくいので、契約プランと燃料費調整単価の確認を先に済ませるのが近道なんですよ。
使用量そのものが増えている原因|季節要因と施設の稼働状況🔗

定義:電気代の使用量要因とは、電気の使用量(kWh)そのものが増えたことで請求額が上がる状態のことです。
結論:使用量の増加による電気代の上昇は、季節・稼働状況・デマンドの3点を順に確認すると原因を絞り込めます。
- 要点1:冬の暖房と給湯、夏の冷房は、施設の電気使用量を押し上げる代表的な季節要因です。
- 要点2:営業時間・稼働日数・人員の増加は、空調と照明の稼働時間を延ばして使用量を増やします。
- 要点3:高圧契約の施設ではデマンドが上がると、翌月以降の基本料金も高くなります。
使用量が前年同月より明らかに増えているとき、施設の中で何が電気を多く使っているのでしょうか。最初に疑いたいのは空調の稼働です。冷暖房は外気温と設定温度の差が大きいほど多くの電力を必要とするため、厳しい寒さや猛暑の月には使用量が一気に膨らみます。空調の普及と電力需要の増加の関係は、海外の研究でも取り上げられています。
冬は暖房に加えて給湯の負荷も重なります。水温が下がる時期は、同じ量のお湯をつくるにも多くのエネルギーが要ります。寒冷地の施設や天井の高い倉庫、出入口の開閉が多い店舗、断熱性の低い古い建物は、外気温の影響をとくに受けやすい傾向があります。建物の断熱改善によるエネルギー消費の削減は、建築分野の研究でも検討されています。
季節だけでなく、業務の変化も使用量に直結します。営業時間の延長や稼働日数の増加、人員の増加は、空調と照明が動く時間をそのまま延ばします。高圧で受電している施設ではデマンド(最大需要電力)にも注意が必要です。デマンドとは、一定時間ごとの平均使用電力のうち月内で最も大きかった値を指します。実量制の契約では過去1年間の最大値をもとに契約電力が決まるため、ある月に跳ね上がった値が使用量の落ち着いた後も基本料金に影響します。
使用量が増える3つの要因と確認する記録
季節(暖房・給湯・冷房)
寒波や猛暑の月に増えやすい要因です。前年同月の使用量と気温を並べて確認します。
稼働状況の変化
営業時間延長・増員・繁忙期が典型です。勤怠・生産計画・営業日数の記録と照らし合わせます。
デマンドの上昇
始業時の一斉起動で起こりやすい要因です。明細の最大需要電力と契約電力を確認します。
具体的には、冬の始業時に全館の空調を一斉に立ち上げる運用が、現場でしばしば見かける例です。設定温度まで一気に暖めようとする時間帯に電力が集中し、デマンドを押し上げる原因になります。空調の起動をエリアごとに時間差で行い、設定温度を必要以上に上げないだけでも、使用量とデマンドの両方を抑える余地が生まれます。使っていない会議室や倉庫の空調停止、出入口の開放時間の短縮もあわせて確認してください。
📝 補足
デマンドの算定方法や契約電力の決まり方は、契約種別や電力会社の約款によって異なります。御社の契約条件は、契約書や電力会社への問い合わせで確認してください。
季節要因で説明できる増加なら、運用の見直しで対応できる部分が大きいと考えられます。一方で、季節も稼働も前年と変わらないのに使用量だけが増えている場合は、設備側に原因が潜んでいる可能性があります。次の章では、その代表である老朽化を取り上げます。急に電気代が上がった施設の点検項目は、以下の記事でも詳しくまとめています。
補足すると、始業時の一斉起動をエリアごとの時間差に変えるだけでも、デマンドと使用量の両方を抑えられる施設は多いと思います。
設備の老朽化が電気代を押し上げるケース|業務用エアコン・照明の見直しポイント🔗

定義:設備の老朽化による電気代上昇とは、経年劣化で機器の効率が落ち、同じ働きにより多くの電力を使う状態のことです。
結論:老朽化が疑われる施設では空調・照明・常時稼働設備の順に点検し、設備の更新は優先順位をつけて計画的に進めるのが現実的です。
- 要点1:業務用エアコンはフィルターの汚れや室外機周りの環境によって運転効率が落ちます。
- 要点2:水俣条約に基づき、一般照明用の蛍光灯は2026年末から順次製造と輸出入が禁止されます。
- 要点3:冷凍冷蔵設備や給湯設備は長時間稼働するため、小さな劣化でも電気代に影響します。
老朽化した設備は、ある月を境に電気代を倍にするというより、効率低下の積み重ねで使用量を押し上げていく点が特徴です。ただし劣化が故障寸前まで進むと、機器が止まらずに運転し続けるなど、急な増加として表れることもあります。前年同月より使用量が増え、季節や稼働の変化では説明がつかない場合は、設備の状態を疑う段階です。
業務用エアコンでまず確認したいのは、フィルターの目詰まりと室外機周りの環境です。フィルターが汚れると風量が落ち、設定温度に届くまで余計に運転します。室外機の吸込口や吹出口の前に荷物が置かれている場合や、排気を再び吸い込む配置になっている場合も、熱交換の効率が下がります。照明と空調、電力契約を一体で見直してきた経験から言えるのは、一つの設備だけを疑うと原因を取り逃がすことがあるという点です。
💡 ポイント
フィルター清掃や室外機周りの整理は、設備を更新する前に着手できる確認です。効果を見るため、作業した日付を記録しておくと翌月以降の比較に役立ちます。
照明では、蛍光灯や水銀灯といった非LED照明が残っていないかを確認します。具体的な日付でお伝えすると、水俣条約に基づきコンパクト形蛍光灯は2026年12月31日、直管形・環形蛍光灯は2027年12月31日で製造と輸出入が禁止されます。規制の開始後も、手元の蛍光灯を使い続けることや在庫を売買・使用することは認められています。急な請求額への対応と照明の更新計画は切り離して考えるほうが、判断を誤りにくくなります。交換用ランプの入手が難しくなる時期を見据え、落ち着いて順番を整理すれば十分です。
水俣条約に基づく蛍光灯規制のスケジュール
見落とされやすいのが、冷凍冷蔵設備や給湯設備など長時間動き続ける機器です。扉のパッキンが傷んで冷気が漏れたり、霜が厚く付いたりすると、圧縮機の運転時間が延びます。給湯については、住宅を対象とした研究で給湯機の種別が電力消費量に大きく関わる要因として挙げられています。業務用の給湯設備でも、機器の種類と年数は確認しておきたい項目です。
🔴 重要
設備更新に使える補助金は、年度ごとに制度内容や公募時期が変わります。対象や要件の最新情報は、各制度の公式サイトで確認してください。
注意点として、高効率な機器に替えたからといって請求額が元の水準へ戻るとは限りません。削減の幅は機器の仕様・電気使用量・運用条件によって変わるため、更新前に現状の使用量を把握しておくことが前提になります。エネプラではメーカーを横断した機器選定から補助金申請のサポート、施工・保守までをまとめて対応しています。更新計画を立てる段階では、停電時の電源確保もあわせて考えておくと設備投資の判断に厚みが出ます。
蓄電池防災とは?法人BCPで備える停電対策・容量・選び方の基本
よく聞かれるんですが、更新を急ぐ前にフィルター清掃と室外機周りの整理を済ませ、翌月の使用量がどう変わるかを比べてみてください。
異常が疑われるケース|漏電・機器故障・検針や契約の誤り🔗

定義:電気代の異常要因とは、漏電・機器故障・設定不具合・検針や契約の誤りなど、通常の使用では起きない理由で請求額が増える状態のことです。
結論:電気代の異常が疑われる場合は請求内容の確認を先に行い、電気設備の点検は電気工事士などの専門家に依頼するのが安全です。
- 要点1:漏電はブレーカーの作動や特定回路の異常として表れることがあります。
- 要点2:検針期間の日数差や推定検針は、電気の請求額を一時的に大きく見せることがあります。
- 要点3:電気設備の点検や修理には電気工事士法の対象作業が含まれるため、専門家への相談が必要です。
単価・季節・老朽化のどれでも説明がつかないなら、異常を疑う段階です。ここでのゴールは、書類で解決するものと設備に手を入れるものを分けることです。異常系の原因は、正すまで翌月以降も請求額を押し上げ続けます。他の原因より優先して確認を進めてください。
Step1 請求期間と検針方法を確かめる
最初に、明細の請求対象期間の日数を前年同月と比べます。たとえば28日分の月と35日分の月では、使い方が同じでも使用量に差が出ます(仮の日数)。検針員がメーターを確認できず、過去の実績から使用量を見積もる推定検針が行われた場合は、翌月以降に差額が精算されることもあります。数字に違和感があれば、まず電力会社へ問い合わせてください。
Step2 契約電力と契約種別の変更履歴を確かめる
明細の契約電力や契約種別の欄が、以前の数値から変わっていないかを確認します。前任者が手続きした変更や、デマンドの上昇に伴う契約電力の更新に、担当者が気づいていないケースもあります。変更の時期と理由は、電力会社に問い合わせれば履歴として確認できます。
Step3 設備の異常サインを確かめる
書類に問題がなければ、設備側のサインを確認します。漏電遮断器が頻繁に作動する、特定の回路だけ使用量が多い、夜間や休日も使用量が下がらないといった状態は要注意です。空調やヒーター・ポンプが故障して止まらなくなっている場合や、タイマー設定の不具合や消し忘れで機器が動き続けている場合もあります。
| 気づいた状態 | 考えられる異常 | 相談先 |
|---|---|---|
| 請求期間が長い・推定検針の記載 | 日数差・検針の誤り | 電力会社 |
| 契約電力の数値が変わっている | 契約変更・契約電力の更新 | 電力会社 |
| ブレーカーの作動・特定回路の異常 | 漏電・配線の劣化 | 電気工事会社・電気保安の担当者 |
| 夜間や休日も使用量が下がらない | 機器の故障・制御設定の不具合 | 設備の保守業者・電気工事会社 |
分電盤の内部を開けたり配線に触れたりする作業には、電気工事士法で資格が求められる作業が含まれます。漏電は感電や火災につながるおそれがあるため、自社で原因を突き止めようとせず、電気工事会社や電気保安の専門家に点検を依頼してください。高圧で受電している施設では、保安を委託している電気主任技術者への相談が出発点になります。
⚠️ 注意
漏電遮断器が作動した回路を、原因を確かめないまま繰り返し復旧させるのは危険です。作動した時刻と回路を記録し、専門家に伝えてください。
書類の確認は担当者の手で進められ、設備の点検は専門家に委ねるという役割分担が、異常系の原因を最短で特定する近道です。異常を疑ったときの具体的な調査の進め方は、以下の記事で手順を追って解説しています。
意外と見落としがちですが、請求期間の日数差や推定検針で一時的に高く見えるだけのケースもあるので、まず書類から確かめると早く片付くかもしれません。
明細確認から相談までの順番
電気代の倍増は、前年同月の明細で使用量と単価を切り分け、単価・契約、季節・稼働、設備の老朽化、異常の順に確認すれば、自社で打てる対策と相談先が明確になります。
- まず前年同月と今月の請求明細を並べ、使用量と請求額の増え方を比べて、原因が単価側か使用量側かの見当をつけてください。
- 単価側なら燃料費調整単価と契約プランを確認し、使用量側なら空調の時間差起動やフィルター清掃など費用のかからない運用改善から着手してください。
- 原因が特定できない場合は、明細・契約書・異常の日時をそろえ、請求は電力会社、漏電や故障は電気工事会社などの専門家に相談してください。
よくある質問
よくある質問について:実務で直面しやすい疑問や判断に迷いやすいポイントを中心に、読者から多く寄せられる質問を観点別に整理しました。本文と併せてチェックリストとして活用してください。
燃料費調整額は請求明細のどこで確認できますか?
請求明細や電力会社のWeb明細に「燃料費調整額」とその単価が記載されています。単価は毎月改定されるため、前年同月の明細と並べて1kWhあたりの金額差を確認すると、単価要因が請求額にどれだけ影響しているかをつかめます。
推定検針で高くなった請求は、あとで精算されますか?
検針員がメーターを確認できず過去の実績から使用量を見積もった場合、実際の検針後に差額が精算されることがあります。明細に推定の記載がある場合は、精算の時期と方法を電力会社へ問い合わせて確認してください。
デマンドが一度上がると、基本料金への影響はいつまで続きますか?
実量制の高圧契約では、過去1年間の最大デマンドをもとに契約電力が決まります。ある月に跳ね上がった値は、その後も最大で1年間ほど基本料金に影響する可能性があるため、始業時の一斉起動を避ける運用が大切です。
契約が市場価格連動型プランかどうかは、どう見分けますか?
契約書や約款の料金欄に「市場価格」「卸電力取引所」「調整項目」といった記載があるかで判別できます。書類で判断しにくい場合は、電力会社に契約メニュー名と単価の決まり方を問い合わせると確実です。
この記事を読んだ方がよく検索する質問
電気代の倍増を早く察知するために、毎月どんな管理をすればよいですか?
毎月の明細から使用量kWh・電力量単価・最大需要電力の3つを表にまとめ、前年同月と並べて記録する習慣が有効です。変化に早く気づけるほど、契約見直しや設備点検の判断を前倒しでき、高い請求が続く期間を短くできます。
照明をLED化すると電気代はどのくらい下がりますか?
削減幅は既存照明の種類・台数・点灯時間によって変わるため一律には言えません。蛍光灯や水銀灯が多く長時間点灯する施設ほど効果が出やすい傾向です。まずは現状の使用量を把握し、専門家に試算を依頼するところから始めてみてください。
設備更新の補助金は、いつ頃から調べ始めればよいですか?
補助金は年度ごとに制度内容や公募時期が変わり、公募期間が短いものもあります。更新を検討し始めた段階で各制度の公式サイトを確認し、見積もりと並行して要件を整理しておくと、申請に間に合いやすくなります。
無料の省エネ診断を受けると何がわかりますか?
照明・空調などの設備状況と電気の使われ方を確認し、更新の優先順位や改善の余地を整理できます。前年同月と今月の請求明細、契約書を用意しておくと、原因の特定から対策の検討まで一度にスムーズに進められます。
参考文献
参考情報について:本記事の信頼性を担保するため、公的統計・学術論文・業界専門媒体を中心に、複数の一次情報源を参照しました。各出典は執筆時点で確認できる最新情報に基づいています。
- 電気料金の会計学的基礎について|金森絵里, 2025
- 空調の普及と電力需要が示す気候変動の緩和と適応のトレードオフ (原題: Air-conditioning adoption and electricity demand highlight climate change mitigation–adaptation tradeoffs)|FP Colelli他, 2023
- 断熱シナリオの導入と再生可能エネルギーの活用による建物のエネルギー消費削減 (原題: Reducing the energy consumption of buildings by implementing insulation scenarios and using renewable energies)|A Shahee他, 2024
- 戸建て住宅のエネルギー消費量に及ぼす世帯間変動と世帯内変化の影響に関する研究|安藤元気, 2014
- 日本の長期戦略に向けたエネルギー転換コスト (原題: Energy transformation cost for the Japanese mid-century strategy)|S Fujimori他, 2019
この記事の監修者

味生 豊
aOn株式会社 代表取締役/照明士・照明コンサルタント/第一種電気工事士・電気工事施工管理技士
建設業の電気通信分野で西日本全域250件以上の電波対策工事に従事後、2015年にエネプラを立ち上げ。法人向けLED照明工事の施工管理を年間30件以上担当する。相談に応えるため照明士・照明コンサルタントを取得し、施設照明の設計を専門とする。第一種電気工事士・二級電気工事施工管理技士として官公庁工事約30件を落札、主任技術者として現場を統括した。










