水銀灯の種類と特徴|水銀灯をLEDにした時の省エネ効果

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4つに分類される水銀灯

水銀灯は正式には「高輝度放電灯」と呼び水銀蒸気中の放電による発光を利用し安定器を用いたランプのことをさします。高輝度放電灯はHID(High Intensity Discharged Lamp)とも呼ばれ光が強く工場や倉庫、体育館、街路灯など広範囲を照らす場所に適しているため主に工場、倉庫、商業施設、体育館、街路灯などに使用されていますがランプ効率や演色性があまり高くありません。省エネと演色性が必要な場所ではメタルハライドランプやLEDに切替っています。

この水銀灯の種類は大きく4つに分類することができます。

その他にも

  •  セラミックメタルハライドランプ
  •  高圧ナトリウムランプ+水銀ランプ
  •  高演色形HIDランプ
  •  演出照明用HIDランプ
  •  低圧ナトリウムランプ

など特殊なHIDランプもあり用途に応じて使い分けされています。

この水銀灯は2021年以降は水俣条約によって製造、輸入、輸出が禁止となります。ただし高圧ナトリウムランプとメタルハライドランプは一般照明用の水銀ランプとは異なり高効率な水銀灯のため規制の対象外とされています。

 

今後、一般照明用の水銀灯はLEDやセラミックメタルハライドランプなどの高効率光源への切替えが進んでいくでしょう。

❖水銀灯の特徴

工場や倉庫で最も多く使用されており発光原理は水銀蒸気中の放電による発光を利用しています。演色性が悪くRa14~Ra45となっています。そのため水銀灯の使用下に行くと、なんとなくグリーンがかった印象の空間に見えるかもしれません。

人によってその見え方は違いますが暗い印象を受けます。色温度は4,100K~5,700Kと高めで寿命は12,000時間程度が一般的です。省エネを強く望まれるところでは高圧ナトリウムランプに、省エネと演色性を望まれるところではメタルハライドランプに切り替わってきています。

水銀灯の消費電力は40W~2,000Wまで幅広くありますが工場や倉庫の5M~7Mの天井高では400Wや700Wの水銀灯が主に使用されています。7M~10Mになると700W~1,000Wの水銀灯が使用されています。

・水銀灯の種類と主な用途

水銀灯ランプには一般形、反射形、ボール形の形状をしたものがあります。小型の水銀灯40W~100W程度のものは口金サイズがE26となります。中型~大型のものになると口金サイズがE39となります。

 

一般形 一般形(クリア) 反射形 ボール形

主な設置場所:工場・倉庫

主な設置場所:工場・倉庫

主な設置場所:体育館

主な設置場所:街路灯

 

・水銀灯が使用される施設

  • 道路、駐車場、交通広場、商店街、工場構内等の屋外照明
  • 投光照明、野球場、ゴルフ場等の各種スポーツ施設照明
  • 公園、庭園樹木の照明
  • 工場、体育館等の高天井照明

・安定器の役割

ランプが必要とする始動電圧(2次無負荷電圧)を印加し適正なランプ電流波形を供給し、安定した点灯を維持し一次力率を高力率に改善す役割をしています。水銀灯を点灯させるにはランプ電流を適当な値に制限し適合した安定器が必要となります。

・安定器の寿命

安定器の平均的な寿命は一般的な使用状態でおおよそ8年~10年と考えられています。
この平均的な寿命は安定器を標準条件で使用した場合となります。
標準条件とは電源電圧が定格値、安定器の周囲温度が40℃以下、ランプ電流が定格値を著しく超過しないで安定器の巻線の温度が105℃以下に保たれることになります。
安定器の寿命を保持させるには周囲温度を高くしないように、通風、冷却をすることが大切です。
また異常温度上昇の状態の維持時間を短くすること器具内に取り付けるものはランプの熱の影響を少なくするなどの注意は必要です。


安定器

 

岩崎電気 300W用安定器 岩崎電気 400W用安定器 岩崎電気 700W用安定器

 

❖高圧ナトリウムランプの特徴

オレンジ色で温かみのある光源をしたランプでナトリウム蒸気中の放電による発光を利用し点灯します。寿命は水銀灯ランプの2倍ほどあり主に道路の街路灯や商業施設などにつかわれております。またほとんどの製品は水銀ランプ同様点等方向も任意となっております。
【用途】
・道路,駐車場,交通広場、商店街、工場構内等の野外照明。
・投光照明、野球場,ゴルフ場等の各種スポーツ施設照明。
・公園、庭園樹木の照明。
・工場、体育館等の高天井照明。
・植物の育成

 

拡散形 両口金形 片口金形

道路の街路灯やスポーツ施設に最適です。

コンパクトな光源のため小型投光器などの光源として店舗の看板照明などに最適です。

三菱社の一般形水銀ランプの約2.4倍の高効率ランプ。低始動電流形水銀ランプで安定器で使用可能

 

・安定器/高圧ナトリウムランプ

一般形低力率安定器

〈H-C形、H-T形〉

一般形高力率安定器

〈H-CC形、H-TC形〉

低始動電流形安定器

〈H-CL形〉

調光形安定器

〈NHL-TD形〉

安定器 岩崎電気 アイ 水銀ランプ用安定器 400W用 低始動電流形 周波数:60Hz H4CL2B352

 

❖メタルハライドランプの特徴

水銀灯に比べランプ効率が良く演色性に優れた白色光ランプで各種金属蒸気中の放電による発光する構造になっています。種類も多いため幅広い用途で使用されてコンパクトなものもあり屋内でも使用されています。主にスポーツ施設や商業施設、精密工場などで使用されています。

 

【用途】
工場の高天井照明
オフィスビル、空港ビルロビー
公会堂、講堂
体育館などのスポーツ施設
百貨店吹き抜け部、スーパーマーケット、ショッピングセンター、アーケード、商店街路、地下商店街の通路、サイン広告用
公園、街路、道路

 

<主なメタルハライドランプの種類>※一部

岩崎電気 アイ クリーンエース 岩崎電気 FECマルチハイエースH 岩崎電気 クウォーツアーク

水銀灯安定器では最高水準の演色性
(Ra90)で自然昼白色の光源。

5波長域の発行スペクトルで平均演色性が向上。更にランプ効率110lm/
Wと効率がアップしたランプ。

1000W投光器(H567SX・H566SX・H567DX・H566DX・HOF122X・HOF104X)に対応しますので、イニシャルコストを抑えることができます。

 

・安定器/メタルハライドランプ

 

低始動電流形安定器〈H-CL形〉 一般形高力率安定器〈H-CC形、H-TC形〉 一般形低力率安定器〈H-C形、H-T形〉
安定器
岩崎電気 アイ 水銀ランプ用安定器 300W用 低始動電流形 周波数:60Hz H3CL2B352
チョークコイル形安定器(CC形)の力率改善用コンデンサの容量を増し、コンデンサ進相電流を大きくしたものです。このため始動時の入力電流が小さくなり(安定時との差が少なくなる)、配線容量を低減できます。
安定器
岩崎電気 安定器 一般形高力率200V H4CC2B352安定器
低力率安定器にコンデンサを内蔵して、力率を改善したものです。力率は90%と高く、水銀ランプの点灯回路として経済的です。また、コンデンサには、保護機能を付けて安全性を高めています。

岩崎電気 アイ 水銀ランプ用安定器 400W用 一般形低力率 周波数:50Hz H4C2A352安定器
力率が60%前後の安定器です。電源電圧10%の変動に対して、ランプ電力は18~22%変化します。
波高率が1.4~1.5と低く、ランプの電極を傷めることが少なくなっています

❖水銀灯をLEDにする理由

 

水銀灯(水銀ランプ)は、家庭用の蛍光灯と比べて消費電力が非常に大きく、そのため電気代もかかってしまいます。例えば、工場や倉庫、体育館などで使用されている水銀灯は400W~1,000Wのものが多く使用されています。家庭用に使用されている一般的な蛍光灯が1本40Wですから、水銀灯1台当たり少なくとも10倍の電気代がかかるということになります。

これをLED照明に変えることで、消費電力・電気代を約3分の1まで削減することができます。この点において、照明のLED化は経費削減に大きく貢献することでしょう。

 

寿命の面においても大きな差があります。消費電力400Wの水銀灯は寿命が3,000時間から12,000時間であるのに対し、同等のLED照明では40,000時間となっています。

水銀灯は工場や倉庫、体育館で使用されていることが多く、比較的高い場所に設置されています。そのため、交換には高所作業車が必要となる場合があり、費用が高くなってしまいます。

寿命が長いということは、交換頻度を減らすことができるわけですから、長期的な経費の削減に繋がるでしょう。

 

その他にも、水銀灯とLED照明では、いくつかの大きな違いがあります。

LED照明は瞬時に点灯するのに対し、水銀灯は点灯するまでに5分程度の時間が必要となります。また、消灯後すぐに再点灯しようとする場合には、それまで点灯していたときに発生した熱を、冷ますための時間を空ける必要があります。つまり、点灯・消灯が簡単には行えないということとなり、作業効率の低下に繋がります。

点灯時の発熱量もLED照明と比べて、水銀灯はその3倍以上となります。これは夏場における空調に大きく影響します。

LED照明は紫外線放射が少ないため、虫が寄り付きにくくなっています。虫の侵入が、生産に影響することがある工場におけるLED化は、虫による被害(虫害)を防止するための有効な手段となります。

 

さらに「水銀に関する水俣条約」を日本が締結したことに伴い、2020年には水銀灯の製造・輸入・輸出が原則として禁止されます。すでに使用しているものを同じものと交換したり、継続して使用することは可能ですが、いずれは流通しなくなってしまいます。

 

これらの点を考えると、水銀灯のLED化は先延ばしにせず、早期に検討していく必要があるのではないでしょうか?

 

❖水銀灯の電気代と経費削減

 

一般的なタイプの水銀灯(水銀ランプ)では、一体どのくらいの電気代がかかっているのかを試算してみましょう。

 

例えば、工場に400Wの水銀灯が10台使用されていたとします。1日当たりの点灯時間が10時間で、1ヶ月当たりの稼働日数が22日として計算してみます。

 

まず、水銀灯には安定器が付属しています。この安定器も電力を消費しているので、その分も加算する必要があります。400Wの水銀灯では、安定器で30Wが消費されています。つまり、400Wの水銀灯における消費電力は、実は1台当たり430Wとなるのです。

 

電気代は電力の契約の種類によって使用量単価が違いますが、ここでは従量電灯の場合で1,000W(1kW)当たり平均26円として計算します。

 

430W×10台×10時間×22日=946,000W=946kW

 

946kW×26円=24,596円

 

これが1年間となると、電気代は約30万円となります。

 

24,596円×12ヶ月=295,152円

 

「水銀灯をLEDにする理由」にあるように、水銀灯1台当たり家庭用蛍光灯の10倍の電気代がかかります。つまり、水銀灯は1台当たりの消費電力が大きい分、使用する台数が少なくても電気代が非常に高くなってしまいます。

これが屋外になると、消費電力はさらに大きくなります。工場や倉庫、体育館などでは消費電力が400Wのものが使用されているのに対して、ゴルフ場やスタジアム(野球場、サッカー場、陸上競技場など)などでは1,000W以上のものが使用されており、台数も数百台単位で必要となります。電気代が非常に高くなるのは言うまでもないでしょう。

 

これをLED照明に交換すれば、消費電力を3分の1に抑えることが可能となり、大幅に電気代を削減することができます。試算した例では、年間で約30万円かかっていた電気代が、約10万円程度まで抑えられることになります。また、ランプ自体の寿命も3倍以上となっているため、交換頻度が少なくなり、将来的な維持経費も抑えることができます。

 

「電気代が安くなっても、交換するための工事にお金がかかったら、意味がないのでは?」

 

そんな疑問があるのは当然です。確かに、交換にかかる工事費用は大きくなります。高所に設置されている場合は高所作業車が必要となります。また、ランプだけでなく照明器具全体を交換したり、落下防止対策を実施する場合には、大規模な工事が必要となることがあります。

 

そこで、具体的な工事内容についての見積りを取ってみて、将来的な電気代や維持経費との比較による検討をしてみることをお勧めします。

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