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エコ給湯器補助金とは|住宅省エネ2026キャンペーンの全体像

基本の考え方:エコ給湯器補助金とは、住宅省エネ2026キャンペーンの一部として高効率給湯器の導入を支援する国の制度です。
端的に言うと、法人施設でも住宅用途であれば対象となり、最大で1台あたり14万円の支援が受けられます。
- 要点1:給湯省エネ2026事業と賃貸集合給湯省エネ2026事業の2本立てで運用されます
- 要点2:補助対象は住宅としての給湯器交換であり、事業用建物は原則対象外です
- 要点3:申請は登録事業者が代行する仕組みで、所有者が直接申請できません
住宅省エネ2026キャンペーンは、家庭部門の省エネ推進のため経済産業省・国土交通省・環境省の3省が連携して実施する大型支援策で、4つの補助事業で構成されています。給湯設備に関わるのは「給湯省エネ2026事業」と「賃貸集合給湯省エネ2026事業」の2つです。給湯分野は家庭のエネルギー消費に占める割合が大きく、政策上の優先順位が高く設定されています。
法人施設での活用を考えるとき、まず押さえておきたいのが「補助対象は住宅であること」という前提です。事務所・店舗・工場といった事業用建物の給湯器交換は対象外です。ただし、社員寮・社宅・賃貸集合住宅のように住宅として使われている法人保有施設であれば、所有者が法人でも活用できる枠組みが整えられています。
住宅省エネ2026キャンペーンを構成する4事業
給湯省エネ2026事業
戸建・分譲住戸の高効率給湯器導入を支援
賃貸集合給湯省エネ2026事業
賃貸アパート・マンションの給湯器更新を支援
先進的窓リノベ2026事業
住宅の窓断熱改修を支援
子育てグリーン住宅支援事業
省エネ住宅の新築・リフォームを支援
💡 ポイント
戸建や分譲社宅の個別住戸は「給湯省エネ2026事業」、賃貸アパート・マンションは「賃貸集合給湯省エネ2026事業」と、所有形態によって申請先の制度が分かれます。
住宅省エネ2026キャンペーンの特徴は、構成する4事業がワンストップで申請できる点です。窓の断熱改修や住宅全体の省エネリフォームを同時に進める場合でも、補助対象が重複しなければ併用が認められます。法人施設の改修計画と組み合わせて活用できる余地は、施設運営者にとって押さえておきたい論点です。
→ 法人がエコ給湯器補助金と併用できる省エネ補助金完全ガイド
給湯省エネ2026事業の概要と対象機器

ざっくり言うと:給湯省エネ2026事業とは、エコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファームの導入に補助金を交付する経済産業省の事業です。
押さえておきたいのは、社員寮や社宅などの住宅用途であれば、法人が所有する建物でも対象になります。
- 要点1:対象機器は3種類で、機器ごとに補助額と性能要件が異なります
- 要点2:2026年度はインターネット接続機能と昼間沸き上げシフト機能が必須要件です
- 要点3:事業用建物への設置や施主支給は補助対象外となります
給湯省エネ2026事業は、令和7年度補正予算に基づく予算規模570億円の国の補助制度です。経済産業省資源エネルギー庁が所管し、住宅省エネ支援事業者として登録された施工業者やリース事業者が申請を代行します。家庭部門のエネルギー消費に占める給湯の比率が高いことは、住宅の快適性とエネルギー需要の関係を分析した研究でも指摘されています。
対象機器は3種類です。ヒートポンプ給湯機(エコキュート)、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池(エネファーム)で、事務局に登録され性能要件を満たした機種のみが対象となります。2026年度はすべての対象機種でインターネット常時接続機能が必須化され、エコキュートでは天気予報と連動して太陽光発電の余剰電力を昼間に活用する「昼間沸き上げシフト機能」、または「おひさまエコキュート」であることが要件となっています。
対象機器3種類の特徴と法人施設での想定例
| 対象機器 | 主な特徴 | 法人施設での想定例 |
|---|---|---|
| エコキュート | 電気でお湯を沸かす高効率給湯機 | 社員寮の戸別給湯、独立住戸の社宅 |
| ハイブリッド給湯機 | 電気とガスを組み合わせた給湯機 | ガス併用設備のある社宅・賃貸住宅 |
| エネファーム | 発電もできる家庭用燃料電池 | 停電対策が必要な社宅・賃貸住宅 |
法人施設での適用範囲は、住宅としての給湯器交換に限られます。事業用に貸し出される建物や事務所・店舗・工場の従業員用シャワー設備などは対象外です。社員寮や社宅のように従業員の居住のために供される建物で、登記上も住宅として確認できる場合に活用できる制度と整理しておくと判断がぶれません。
⚠️ 注意
インターネットで機器だけを購入して工事のみ依頼する「施主支給」は補助対象外です。製品の手配から工事まで、登録事業者に一括で依頼する必要があります。
もう一点、見落とされやすいのが、給湯省エネ2025事業で補助を受けた給湯器は2026事業では対象外という重複排除のルールです。複数戸の社宅で計画的に更新を進める場合は、過去の交付実績を整理してから計画を立てると申請段階での混乱を避けられます。
→ エコ給湯器補助金で導入するエコキュートのメーカー比較と法人選定基準
補助額の内訳|基本額・性能加算・撤去加算の3層構造

ここで知っておきたいこと:補助額とは、基本額・性能加算・撤去加算の3要素の合計で1台あたりに支給される金額のことです。
結局のところ、エコキュートで最大14万円、エネファームで17万円の補助が1台あたり見込めます。
- 要点1:基本額は機器の種類と基本性能要件の充足で決まる定額部分です
- 要点2:性能加算は高効率機種を選んだ場合に上乗せされる加算部分です
- 要点3:撤去加算は蓄熱暖房機・電気温水器を撤去する場合の加算部分です
給湯省エネ2026事業の補助額は、基本額+性能加算額+撤去加算額の3層構造で計算されます。すべての加算を満たした場合の合計が機種別の最大補助額で、法人施設で複数台を更新する場合は1台あたりの補助額を試算し全戸の合計を見積もる流れになります。
機器別の最大補助額(性能加算込み)
補助金や低利融資といった経済的インセンティブがヒートポンプ給湯器の家庭導入率を有意に押し上げることは、海外の実証研究でも報告されています。
撤去加算は、既存の電気蓄熱式暖房機や電気温水器を撤去する場合のみ適用されます。蓄熱暖房機の撤去は1台あたり4万円(上限2台まで)、電気温水器の撤去は1台あたり2万円です。エコキュート最上位機種に電気温水器の撤去を組み合わせると最大12万円、蓄熱暖房機を撤去する場合は最大14万円までの可能性があります。
🔴 重要
既存のエコキュートを新しいエコキュートへ更新する場合、撤去加算の対象にはなりません。撤去加算は対象が電気蓄熱式暖房機または電気温水器に限られる点を必ず押さえておいてください。
賃貸集合住宅のオーナーが活用する賃貸集合給湯省エネ2026事業では、補助対象機器がエコジョーズ・エコフィールに限定され、機能や工事内容に応じて1住戸あたり5万〜10万円となります。撤去加算には独立した予算枠が設定されており、本体予算より先に枯渇する可能性があるため、電気蓄熱式の暖房機や温水器が残る社宅では申請タイミングを早めに調整するのが安全策です。
→ エコ給湯器補助金にも通じる省エネ補助金公募要領の読み解き実践法
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➤無料で相談する対象者条件と法人導入時の留意点

概要:対象者条件とは、補助金を受けるために満たす建物・契約・申請主体の各要件のことです。
かんたんに言うと、法人施設では建物用途と所有形態によって適用される事業が分かれます。
- 要点1:戸建・分譲社宅は給湯省エネ2026事業、賃貸集合は賃貸集合給湯省エネ2026事業が窓口です
- 要点2:申請は登録事業者が代行し、補助金は事業者経由でオーナーに還元されます
- 要点3:対象工事は令和7年11月28日以降の着工分で、予算上限に達し次第終了します
賃貸集合給湯省エネ2026事業の対象者は、賃貸集合住宅を所有し賃貸経営を行うオーナーで、個人・法人を問いません。区分所有で賃貸住戸を2戸以上保有する場合も含まれ、法人オーナーが個人オーナーと同等に扱われる点は施設運営者にとって重要な前提です。申請は両事業とも登録事業者による代行が原則で、賃貸集合給湯省エネ2026事業では200戸以上を所有・管理する事業者に限り、事務局の認可を受ければ自ら手続きを行う選択肢も用意されています。米国のヒートポンプ給湯器普及でも、ユーティリティ事業者を介したプログラム設計が導入加速に寄与したことが指摘されています。
法人が申請を進める標準的なステップ
- 建物用途と所有形態の確認
登記簿で住宅用途であることを確認し、戸建・賃貸集合のどちらの事業が窓口かを判定 - 登録事業者の選定
住宅省エネ支援事業者として登録された施工業者・リース事業者と契約 - 機器選定と工事計画
登録機種から選び、令和7年11月28日以降の着工日で工事計画を確定 - 工事写真と書類の整備
撤去前後の写真や交付申請書類を登録事業者と連携して整える - 交付申請と補助金の還元
事業者が交付申請を行い、契約代金充当または現金で2ヵ月以内にオーナーへ還元
法人申請前の確認チェックリスト
- □ 不動産登記上の用途が「住宅」または「集合住宅」になっている
- □ 給湯省エネ2025事業で補助を受けた給湯器がない
- □ 選定した機種が事務局の登録機種一覧に掲載されている
- □ 着工日が令和7年11月28日以降に設定されている
- □ 補助金の還元方法(代金充当/現金)を契約前に合意している
- □ 撤去加算対象(蓄熱暖房機・電気温水器)の有無を棚卸し済み
⚠️ 注意
不動産登記上、建物の用途が「集合住宅」として確認できない場合は原則として補助対象外となります。事業用に貸し出されている建物や、オーナー・親族のみが居住する住戸も対象外です。
申請スケジュールは、令和7年11月28日以降に工事着手したものが対象で、賃貸集合給湯省エネ2026事業の交付申請期間は遅くとも2026年12月31日までと公表されています。例年予算は秋ごろまでに枯渇する傾向があり、計画段階から着工日と申請順序を逆算しておくことが重要です。登録事業者が決まったら、書類リストの突き合わせと工事写真の撮影タイミングを最初の打ち合わせで握っておくと、申請段階での手戻りを大きく減らせます。
補助金の還元方法も法人特有の論点です。契約代金への充当か現金支払いかを契約前に決めておく必要があり、現金還元の場合は交付から2ヵ月以内の還元完了が事業者に義務付けられています。法人会計にも関わるため、契約段階での合意形成が欠かせません。
→ 法人蓄電池導入事例|業種別Before/Afterと回収実績
押さえておきたいポイント
エコ給湯器補助金は給湯省エネ2026事業と賃貸集合給湯省エネ2026事業の2本立てで運用され、法人施設でも住宅用途であれば対象です。
- 建物の所有形態と用途で適用される事業が分かれる
- 補助額は基本額・性能加算・撤去加算の3層構造で計算される
- 申請は登録事業者の代行が原則、200戸以上のオーナーは自社申請も可能
参考文献
参考情報について:本記事の信頼性を担保するため、公的統計・学術論文・業界専門媒体を中心に、複数の一次情報源を参照しました。各出典は執筆時点で確認できる最新情報に基づいています。
- 住宅規模の縮小と家庭の快適性への期待が国内エネルギー需要に与える影響 (原題: Implications of declining household sizes and expectations of home comfort for domestic energy demand)|K Ellsworth-Krebs, 2020
- 家庭用ヒートポンプ導入に対するリベートと融資の効果:ノースカロライナ州の事例 (原題: The effect of rebate and loan incentives on residential heat pump adoption: evidence from North Carolina)|X Shen他, 2022
- 米国における家庭用ヒートポンプ給湯器の設置台数を増やす技術改良とユーティリティプログラム (原題: Increasing the number of installed residential heat pump water heaters in the USA through improved technology and utility programs)|B Sparn, J Maguire, 2021
- EUと日本における電力部門のエネルギー転換:規制モデルと立法的解決策 (原題: Energy transition of the electricity sectors in the European Union and Japan: regulatory models and legislative solutions)|MM Sokołowski, 2022
よくある質問
よくある質問について:実務で直面しやすい疑問や判断に迷いやすいポイントを中心に、読者から多く寄せられる質問を観点別に整理しました。本文と併せてチェックリストとして活用してください。
エコ給湯器補助金は法人でも申請できますか?
はい、社員寮・社宅・賃貸集合住宅など住宅用途の建物であれば法人所有でも対象です。事務所や工場の従業員用シャワー設備など事業用建物は対象外となります。建物の登記用途が住宅であることが確認の前提です。
補助金は1台あたり最大いくらもらえますか?
エコキュートは基本7万円+性能加算3万円+撤去加算で最大14万円、ハイブリッド給湯機は最大13万円、エネファームは17万円が目安です。撤去加算は電気蓄熱式暖房機や電気温水器を撤去する場合に限り適用されます。
申請は法人が自分で行えますか?
原則として住宅省エネ支援事業者として登録された施工業者やリース事業者が代行します。例外として賃貸集合給湯省エネ2026事業では200戸以上を所有・管理する事業者が事務局認可を受けた場合に限り、自社で申請する選択肢も用意されています。
この記事を読んだ方がよく検索する質問
申請のタイミングはいつまでに動けば間に合いますか?
対象工事は令和7年11月28日以降の着工分で、交付申請は遅くとも2026年12月31日までです。ただし例年予算は秋ごろまでに枯渇する傾向があり、早期に登録事業者を確保して工事計画を逆算するのが安全策です。
複数戸の社宅をまとめて更新する場合の注意点は?
1台ごとに補助額を試算し全戸の合計を見積もる流れになります。給湯省エネ2025事業で補助を受けた給湯器は2026事業の対象外となるため、過去の交付実績を整理してから計画を立てると申請段階の混乱を避けられます。
補助金は法人会計上どう処理されますか?
登録事業者が交付を受け、契約代金への充当か現金支払いかで還元されます。現金還元は交付から2ヵ月以内の還元完了が事業者に義務付けられているため、契約段階で還元方法を合意し経理処理の方針を決めておくことが重要です。
この記事の監修者

味生 豊
aOn株式会社 代表取締役
愛媛県出身。建設業で12年半の経営経験を持ち、西日本全域250件以上の施工管理実績と官公庁入札案件30件以上の落札実績を持つ。オウンドメディア「エネプラ.com」では、LED工事のワンストップ対応を軸に月間15万PV・月間10数件の問い合わせを獲得し、成約率3割以上を実現。照明士・照明コンサルタント資格保有の専門チームを率い、15年にわたりエネルギーコスト削減の提案・施工に従事。











